レーヨン素材の衣類は、柔らかくて着心地が良いですよね。その分汚れてしまったときの洗濯方法や、普段のしまい方にお悩みの方も多いと思います。今回は、レーヨン素材の特徴はもちろん、お洗濯方法や保管方法のポイント、失敗してしまったときの処置方法などたっぷりご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
レーヨンってどんな素材?特徴とメリット・デメリット
レーヨンの特徴
そもそも、レーヨンとはどんなものなのでしょうか?まずはレーヨンの特徴をおさえておきましょう。
レーヨンはシルクを人工的に作ろうとしてできた素材です。フランス語で”光線”の意味を持つ”ray”が語源となっており、シルクに似た光沢感が特徴です。再生繊維の一種で、なんと紙と同じ”木材パルプ”の繊維からできています。レーヨンは天然の素材を合成して作られた化学繊維なのです。
レーヨンのメリット
光沢とやわらかなシルエット
シルクの様な光沢とテロっとしてやわらかくてひんやりとした肌触りのレーヨンは、カーテン、高級下着やドレスの裏地などでも使われています。アロハシャツもレーヨンで作られていることが多いです。
ドレープなどの繊細なシルエットに向いており、レーヨンのブラウスやスカートはやわらかでリラックスした印象に見せてくれます。
発色が良い
レーヨンは染料との相性の関係で発色が良く鮮やかな色合いになります。
吸湿性が高く、肌にも優しい
レーヨン特有の、なめらかな肌触りは水分を含む”吸湿性”の高さにあります。同じ化学繊維のなかでは一番高く、天然繊維と比べてもシルクと同等の吸湿性があります。加えて、レーヨンはコットンよりも吸水性に優れています。また、レーヨンは”弱酸性の繊維”なので、肌にも優しい素材なのです。
レーヨンのデメリット
”水”にご注意を
レーヨンの、弱点はズバリ”水”です。レーヨンは吸水性が高いため、水分を含むと糸が太くなる分、全体の長さが短くなります。そのため水につけると縮みやすくなってしまうのです。
大人サイズのシャツが子供サイズくらい縮んでしまうこともありますので、洗うときには注意が必要です。水染みもできやすいので、強い雨の日の着用は控えたほうが良いです。濡れてしまったら乾いたタオルなどで水分を吸い取ってあげましょう。
摩擦に弱い
レーヨンは摩擦に弱くシワになりやすい素材でもあります。摩擦で毛羽立ったり白っぽくなりやすいので動きの多い日には向かない衣類です。
どうやってケアするの?
肌に優しく、素敵なシルエットのレーヨン素材ですが、水や摩擦に弱いという大きな弱点があります。高価なものや着る頻度が低い衣類であれば、クリーニング店に持っていくのが得策です。
シャツやブラウスなど、普段よく使う衣類であれば毎回クリーニングに出していると時間もお金もかかってしまうため、自宅での洗濯にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
キュプラ生地の洗濯方法!レーヨンの違いと特徴、メリット・デメリットもレーヨンの衣類を自宅で洗濯する方法
いくつかポイントを押さえてレーヨンの衣類をきれいに洗ってみましょう。
洗う前の下準備
失敗してしまわないように、洗う前のチェックをしておきましょう。
- 洗濯絵表示をチェック
- 色落ちチェック
まずは、洗いたい衣類の洗濯絵表示を事前にチェックしてみましょう。バツ印のついた『水洗い不可』や『手洗い不可』であれば、ドライクリーニングに出すようにしましょう。レーヨン100%ではなく、レーヨンと他の素材が混合している場合や”ウォッシャブルレーヨン”という洗濯可能なものもあります。
レーヨンはとても繊細な素材なので、少しの汚れならば部分的に濡れタオルで優しく叩いて落とすのがおすすめです。
レーヨンの繊維は、水につけると染料が離れやすくなる性質があります。色柄ものは色移りしてしまうことがあるので、個別に洗う様にしましょう。洗う前には色落ちチェックがおすすめです。目立たないところに中性洗剤を少しつけて、白いタオルや布で叩いてみましょう。白い布に色が移らなければ色落ちの心配はありません。
水に弱いレーヨンは短時間で洗おう
レーヨンの繊維を傷めないように、水につける時間はできる限り短く、サッと洗うようにしましょう。
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準備物
- 中性洗剤(おしゃれ着用洗剤)
- 洗面器や洗濯桶
- バケツ
- 乾いたタオル
レーヨンを使った衣類の干し方
続いて、洗った後の干し方をみていきましょう。
- 準備物
平干しができるネット(100円ショップなどで売っています)またはハンガー2本
干し方ポイント1
タオルで水気を取った衣類を平干しをします。しっかり形を整えながら干しましょう。
干し方ポイント2
日光は色落ちの原因になってしまうので浴室乾燥機を使ったり、直射日光の当たらない風通しの良い場所で乾かしましょう。平干し用のネットを使うと形を整えた状態で干すことができます。
干し方ポイント3
ハンガーで干す場合は、ハンガーの形がついたり伸びてしまわないように重さが分散するようにかけましょう。
レーヨン素材のしわや縮み対策
レーヨンは繊細な素材のため、保管や洗濯に失敗してしまう方も多いです。困ったときの対処法を知っておくと、いざというとき慌てないで済みます。
縮んでしまったときや、たたみジワを元に戻す方法
レーヨンの”縮み”はシリコン入りのコンディショナーを使う
リンスやコンディショナーに入っているシリコンが、繊維をコーティングするので縮んでしまった繊維を伸ばしやすくしてくれます。
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準備物
- ジメチコンというシリコン入りのコンディショナー
- 洗濯桶や洗面器など
- 乾いたタオル
- 平干し用のネット
レーヨンのシワはアイロンで戻す
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準備物
- アイロン
- アイロン台またはアイロンマット
- 当て布
レーヨンの衣類を長くキレイに保つ方法
長くキレイな状態で着続けられるように、保管方法をチェックしていきましょう。
虫食いにご注意
レーヨンは木材パルプが原料の繊維で、やわらかい素材なので虫食いされてしまわないよう注意が必要です。食べこぼしや汗などの汚れは、虫食いやカビの原因になるので保管前には必ず洗濯するようにし、衣服の汚れを取ってから収納ケースに入れましょう。保管するときは、防虫剤を一緒に入れると効果的です。
衣類・服の虫食いを解決!原因・虫別の好む素材・対策・予防まで折りたたむか丸めて収納
ハンガーにかけたままにしておくと、ハンガーの跡がついてしまいます。たたんだ状態で収納ケースに入れておくか、くるくる丸めておくと跡がつきにくく次のシーズンもそのまま着ることができます。
湿気にご注意
レーヨンは水分が大の苦手なので、お風呂場や洗濯機など水回りの近くや窓の近くは避けましょう。陰干しをして水分を飛ばしてから収納するのがポイントです。また、しまう場所に除湿剤を置いておくのもおすすめです。
レーヨンと他の素材の混紡について
レーヨン100%の衣類の他に、綿やポリエステルなどの他の素材と合わせて作られたものもあります。そのなかでもよく見かける、ポリエステル・綿・麻の3つの特徴をそれぞれご紹介します。
レーヨン×ポリエステル
ポリエステルは、合成繊維の中でも広く使われているので目にすることが多いかと思います。ポリエステルの特徴は、他の繊維に比べて軽くてシワになりにくく熱や日光に強い点です。また、レーヨンと違って吸水性が低いです。
2つの素材の割合にもよりますが、レーヨンのシワになりにくい所を抑えて、ポリエステルの吸水性の低さをレーヨンが補った生地ということになります。とは言ってもレーヨンが含まれているので、水洗い可能かどうかは表示をチェックして下さいね。
ポリエステル生地の特徴は?用途・扱い方・他の生地との違いもレーヨン×綿
綿は、肌触りがやわらかな天然繊維です。綿素材を好んで使用する方も多いかと思います。レーヨンと綿の混紡生地は着心地が良く、ワンピースやパジャマなどでよく使われています。綿もレーヨンと同じく吸水性が高く、縮みや毛羽立ちやすい面もあるので洗い方には注意が必要です。
綿素材の種類|特徴・メリット・デメリットを知って正しく生活に取り入れようレーヨン×麻
麻は、天然繊維の中で最も涼しい繊維といわれています。もともと気温の高い国で使われていて、暑さに強い生地です。麻の繊維自体はとても強く、水に濡れても問題なく洗濯もしやすい素材です。
弾性が乏しいため通常の繊維よりシワになりやすいというレーヨンと同じ弱点もあるので、干すときにしっかり形を整えることが必要です。
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レーヨンは弱酸性で肌感触が良く、やわらかで独特の風合いがあります。弱点も少々多いですが、コツさえつかんでおけばレーヨンの衣類のケアはそこまで大変ではありません。洗濯が簡単な洋服ばかりではなく、丁寧にお手入れをしてワンランク上のおしゃれを楽しんでみてはいかがでしょうか?
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