洗濯を行う際、洗濯表示をきちんと確認していますか。2016年に洗濯表示が新しく改正されこれまで以上に分かりやすく細かい表示となりました。今回は大切な衣類を洗うために覚えておきたい洗濯表示と抑えておきたいポイント、そして簡単に確認することができる洗濯アプリをご紹介します。
目次
洗濯表示(洗濯マーク)について
洗濯表示とは、衣類の「洗い方」「漂白が可能かどうか」「干し方」「アイロンのかけ方」「ドライクリーニング」など、衣類の取り扱いについて記号を使い表現したものです。
小学生の頃、家庭科の授業で習った記憶があるという人も多くいますよね。洗濯する際に洗濯表示を確認することで、衣類を傷めることなくお手入れすることができます。
新しい洗濯表示(洗濯マーク)について
2016年12月1日より、洗濯表示は全面的に改正されました。これまでの洗濯表示は、日本独自の基準のものでしたが、新しく改正された洗濯表示は国際規格であるISO3758と日本のJISを統一することを目的としたものです。
分類方法の変更
これまでの分類は6分類22種類でした。
- 洗い方(7種類)
- 塩素漂白の可否(2種類)
- アイロンの掛け方(4種類)
- ドライクリーニング(3種類)
- 絞り方(2種類)
- 干し方(4種類)
こちらが、新たに改正された7分類41種類の「新JIS規格」です。
- 洗濯処理(14種類)
- 漂白処理(3種類)
- タンブル乾燥(3種類)
- 自然乾燥(8種類)
- アイロン仕上げ(4種類)
- ドライクリーニング(5種類)
- ウエットクリーニング(4種類)
洗濯表示(洗濯マーク)の追加
新たに追加された洗濯表示は以下の通りです。
- 酸素系漂白OK
- 濡れ干し
- タンブル乾燥OK・タンブル乾燥NG
- ウエットクリーニング(プロの水洗い)
三角形の2本線の表示は、漂白に関する「酸素系漂白剤」の表示です。
干し方に関して、脱水やしぼったりせずに干す濡れ干し乾燥(ドリップドライ)の表示です。吊り干し、平干し、そして陰干しでの吊り干し、平干しの4種類あります。
干し方の表示で、タンブル乾燥があります。これは、乾燥機の使用が可能かどうかの表示であり、上限の温度をドットで表現しています。80℃まで可能なものはドット2つ、60℃まで可能なものはドット1つ、タンブル乾燥がNGなものと全部で3種類あります。
クリーニング業者向けのウエットクリーニングの表示が追加されました。家庭での洗濯では使用しませんが、クリーニングに出す際にチェックされる表示です。
おさえておきたいポイント
これまでの表示が「桶マーク=手洗い」だったので、手洗いしかできないものと間違えないように注意してください。
洗濯表示(洗濯マーク)の基本一覧
新JIS規格の洗濯表示では、大きく5種類に分けられます。それに強弱、温度、禁止マーク、数字が組み合わさったものが基本となります。
家庭洗濯
これまで洗濯機洗いのマークと手洗いのマークが別々に表示されてきましたが、新JIS規格の洗濯表示では、洗濯機洗いと手洗いどちらも桶のマークで統一されました。桶マークの中に上限の温度を記載し、桶の下に一本線や二本線が入ると通常よりも弱い洗濯を行うという意味になります。
- 桶のマークと1本線の加わった桶のマーク
- 桶マークに2本線
- 桶マークに手の表示
- 桶マークに×表示
この2つの表示に関しては洗濯機の「標準コース」で問題ありません。洗剤は一般衣料用洗剤を使用しましょう。
この表示は「手洗いコース」「弱水流コース」など優しいコースで洗うようにしましょう。液温は30℃以下に設定し、洗剤はおしゃれ着用洗剤がおすすめです。
手洗いの場合には、桶のマークに手の表示が加わります。手洗いマークがあっても洗濯機を使用することも可能です。メーカーの表示を確認した後「手洗いコース」「ドライコース」などの優しいコースを使用するようにしてください。液温は30℃以下に設定しましょう。
家庭で洗濯出来ないものに関しては、桶マークの上に大きな×表示がつきます。家庭で洗濯できないため、クリーニングが可能かどうかチェックしましょう。
漂白
これまで、三角フラスコだった漂白の表示は三角形になり、酸素系漂白剤の表示が追加されました。
普通の三角形のマークであれば、「塩素系および酸素系の漂白剤を使用しての漂白が可能」という意味となりますが、三角形に二本線となると、「酸素系漂白剤の使用は可能だが、塩素系漂白剤の使用は禁止」という意味になります。
三角形の上に大きな×表示がつくと、「塩素系及び酸素系漂白剤の使用は禁止」となります。
乾燥
これまで4個だった表示は8個に増え、衣類を表示した長袖のマークは廃止され、タンブル乾燥と同様に四角形で表現されるようになりました。吊り干し、ぬれ吊り干し、平干し、ぬれ平ら干しの4つに加えて、全ての干し方に日陰が加わり8種類となりました。
アイロン
これまでアイロン表示は日本語で「高」など書かれていましたが、新しい表記では温度をドットの数で表現されています。ドット3つで底面温度の上限が200℃、ドット2つで底面温度の上限150℃、ドット1つは底面温度の上限110℃という意味になります。
ドットの数が多いほど高温となることを覚えておきましょう。また、アイロンのマークの上に大きな×の表示がつくと、「アイロン禁止」という意味になります。
クリーニング
丸の中に波打っているドライの表示は日本語の表示が廃止され、商業クリーニングを表す〇マークの中にPまたはFと表示されているものがドライクリーニングの表示です。
〇のマークの中にPの表示は「パークロロエチレン及び石油系溶剤によるドライクリーニングが可能」という意味であり、〇の中にFの表示は「石油系溶剤によるドライクリーニングが可能」という意味です。
〇の下に一本線が加わると、「弱いドライクリーニング」という意味になるのです。また、新しく加わったウエットクリーニングは〇の中にWの表示で「ウエットクリーニング可能」となります。
そして、〇の下の一本線で弱さを表し、大きな×マークは、禁止という意味を持ちます。〇の表示のあるドライクリーニング、ウエットクリーニングはクリーニング店向けの表示であるため、家庭での洗濯においては関係ありません。
強弱
強弱は、横線で表されます。線がないものは通常の洗い方、1本線で弱い洗い方、二本線で非常に弱い洗い方となります。線の数が多くなるにつれ取り扱いがデリケートになります。
温度
温度はドットの数で表されます。温度が低いほどドットの数が少なく、高いほどドットの数が多くなります。アイロンをする際の温度調整の目安として使用します。
禁止マーク
禁止マークは大きく×の付いたマークであり、これまでにも使用されていたものです。
マーク以外の表示
上記で説明した洗濯表示では表現できない取り扱いに関しては、言葉で付記されています。「中性洗剤使用」「洗濯ネット使用」「アイロン時のあて布使用」といったものです。
洗濯表示(洗濯マーク)の見方
衣類のタグに洗濯表示が記載されています。見方は左から洗濯方法、漂白剤の使用、乾かし方、アイロンのかけ方、クリーニングとなっています。
洗濯を行うときはまず最初に、一番左のマークがどのような表示になっているかチェックしましょう。
困った時に!洗濯表示(洗濯マーク)を確認できるアプリ
これ洗える?
ライオン公式の洗濯判定アプリです。持っている洋服の洗濯表示をチェックし、家庭で洗うことができるかどうか、どのようにして洗えばいいかなど洗濯表示に合わせた適切な洗い方を知ることができます。
また、洋服を撮影して洗濯表示を登録することでアプリ内に記録を残すことができます。洋服と洗濯表示を登録しておくと持っている洋服の洗い方一覧をすぐに見ることができます。洗濯表示のチェック方法もとても簡単なので、一度使うと手放せないアプリです。
洗濯タグチェッカー “ ISO & JIS ”
・出典:App Store
調べたい洗濯表示をシンプルな操作で簡単に調べることのできるアプリです。これまで使用されてきた旧JIS規格のマークと海外衣料品のマーク、そして新しい「新JIS規格」の全てのマークをアプリ内で確認することができ、洋服に合った最適な洗い方を調べることができます。
洗濯表示(洗濯マーク)も慣れると簡単!
洗濯表示というと、ややこしい、良く分からない、面倒くさいと思ってしまいがちですよね。しかし、世界共通の表示となったことで一度覚えてしまえば、あらゆる衣類に当てはめることができます。
また、これまで以上に表記も細かくなっているので、洗濯ミスも防ぐことができますよね。アプリなどを活用してだんだんと慣れてくると、とても簡単で便利に感じますし、洗濯上手になることができます。まずは手持ちの洋服を洗濯する際に、欠かさず洗濯表示のチェックを行い慣れていきましょう。