ウールコートのお手入れ方法とは?毛玉や毛羽立ちを防ぐ6つの注意点

ウールコートのお手入れ方法とは?毛玉や毛羽立ちを防ぐ6つの注意点

まりや

寒さが厳しい冬に手放せないコートですが、そのなかでもウール素材のコートは暖かくて人気が高いコートです。しかし、コートは頻繁に洗濯することはできない反面、着用する頻度は高く、しかもほこりや汚れがつきやすい衣類です。そんなコートのお手入れはどのようにすれば良いのでしょうか?今回はウールコートのに着目して、正しいお手入れ方法を調査してきました。

ウールってどんな素材?

ウールってどんな素材?

まずはウールとはどのような素材なのか見ていきましょう。

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ウールは暖かいからコートに最適

ウールとは羊の毛でできている天然繊維のことで、ウールの中でも羊の種類や繊維の細さなどで、ランク分けされています。その種類を細かく見ていくと300種類ほどあるともいわれ、世界各国で様々なものに使用されています。

その中でもメリノ種の羊からとれるメリノウールというものは、日本に輸入されるウールの80%も占め、羊毛の代名詞ともいえます。また、繊細な光沢のある繊維で柔らかいため、衣類に使用される頻度も高いです。

ウールのメリット

    • とにかく暖かい

ウールは繊維が細かく絡み合っているため保温性が高く、寒い時期に最適と言えます。そのためダッフルコートやPコートなどによく使用されます。しかし、熱伝導率は低いので、夏場は涼しく感じることができるのも特徴なので、スーツなどにも使用されます。

    • 撥水性が高いので汚れにくい

撥水性があるので、水溶性のものはよくはじく特性があります。雨や泥跳ねなどにも強く、汚れにくくなっています。

    • 弾力性があるので型崩れやシワにならない

繊維に弾力があるので、元に戻る力がとても強いのが特徴です。したがって、型崩れも起こしにくいですし、シワができても伸ばしやすいので扱いがとても楽です。

ウールのデメリット

    • 虫に食われやすい

天然素材のため、虫の好物となり虫食いの危険が高い素材です。しっかりとメンテナンスをしないと、ワンシーズンで虫食いにあいダメにしてしまうこともあります。

    • 縮むことがある

水をはじく性質はありますが、防水の性能があるわけではありません。洗濯などの際は気をつけないと水分によって縮むことがあるので、むやみに濡らすことがないようにしましょう。

    • 比較的高価

合成繊維と比べると高価なものが多く、コートとなるとかなり高額なものもあります。ブランドによっては安いウールもあるので、用途に合わせて探してみることをおすすめします。

上質なウールがおすすめ

ウールには羊の種類などによって様々なタイプやランクのものがありますが、やはりおすすめしたいのは上質なウールです。繊維が細くしなやかなものは、ウールのメリットを最大限に引き出しますし、デメリットに関しては最小限に抑えることも可能です。

しかもコートは汚れやすく傷みやすいので、値段につられ安価なものを選ぶと、ワンシーズンも持たずにダメになってしまうことがあります。長年愛用できるコートを探したいなら、できるだけ上質なものを選ぶことが1番の近道です。そうすればお手入れのしがいのあるお気に入りのコートになります。

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ウールコートのお手入れの仕方

ウールコートのお手入れの仕方

それではウールコートの正しいお手入れ方法を見ていきましょう。

ブラシをかける

コートを長持ちさせるためのお手入れに欠かせないのが、ブラッシングです。コートは1番外側に羽織るものなので、見た目以上にホコリやゴミが付着します。それを放置すると繊維に深く絡まって取れにくくなりますし、無理に取ろうとすると生地を傷めます。そうならないためにはこまめなブラッシングが効果的で、着用するたびに行うのが理想です。

正しいブラシのかけかた

STEP.1
まずはコートをハンガーにかけます。
STEP.2
ブラシを床と平行に持ち、まずは繊維の流れに逆らうよう、上から下に向かってブラッシングしましょう。こうすることで1度ゴミやホコリを浮かせることができます。
STEP.3
次は繊維を整えるように上から下に向かってブラッシングを行います。この工程を忘れると繊維がけば立ったままになり、毛玉の原因となるので注意しましょう。
STEP.4
前身頃、後身頃、袖や襟、ポケットにいたるまで念入りに行いましょう。

ブラッシングの基本は繊維に沿って上から下に向かうのが正しい方法です。ゴミがあまりついていないと感じたら、2の工程は省いて構いません。またブラシをかけるときはできるだけ優しく、手のスナップでほこりを払うように行いましょう。

強い力で行うと逆に生地を傷めてしまいます。このようにブラッシングをすると、普段気がつけない汚れや傷んでいる箇所に気がつくことができるので、ブラッシングは積極的に行いましょう。

ブラシの選び方

衣類用ブラシの種類は様々あり、値段も幅広くなっています。そのなかでも、ウールコートにおすすめなのは天然素材の毛でできているブラシです。馬毛はしなやかなのでどんな衣類でも使用しやすいですし、豚毛は堅いウールに適しています。合繊製のブラシは安いですが、静電気を起こしやすいのでなるべく避けるのがベターです。

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陰干しをして湿気を飛ばす

ブラッシングが終わったら陰干しを心掛けましょう。ウールは湿気を吸収する性質があるので、汗はもちろん、空気中の湿気も吸収しています。見た目には感じなくても、かなり湿気を含んでいる場合が多いので、ハンガーにかけたらすぐクローゼットにしまうのではなく、風通しの良いところでしばらく干しておきましょう。このひと手間で、雑菌やカビの繁殖を抑えることが可能です。

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汚れがひどい場合は洗濯はできる?

気をつけていても、ウールコートを汚してしまうことがありますよね。汚れの具合によっては、クリーニングに出すほどじゃない、というときに自宅で洗えるか疑問に思ったことはありませんか?ウール製品は基本的に洗濯機を使用できません。

しかし手洗いなら自宅で洗濯可能な場合があります。調べる方法は、コートについている「洗濯表示」の確認です。「手洗いマーク」がついていれば、自宅で手洗いが可能なもので、「水洗い不可」のマークでしたら自宅での洗濯は控えてクリーニングに出すのがおすすめです。手洗い可のウールコートだった場合の、具体的な洗い方を見てみましょう。

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自宅でウールコートを洗う手順

用意するもの

  • 中性洗剤
  • タオル
  • ティッシュ
STEP.1
まずはコートが中性洗剤で色落ちしないか確認するために、目立たない場所で色落ちチェックをしておきましょう。ティッシュ中性洗剤を含ませ、コートの目立たない部分につけてみましょう。ティッシュにコートの色が移っていなければ洗濯を続けてOKです。
STEP.2
コートはなるべく折りたたまない方がいいので、浴槽を使って洗濯するのがおすすめです。浴槽に10㎝程ぬるま湯を張り、洗濯機で使用する1回分の洗剤をよく混ぜます。
STEP.3
コートを広げて15分程浴槽につけこみます。
STEP.4
つけこんだら、汚れを軽くゆすりながら落としていきます。このときもみ洗いをしないよう気をつけてください。ウールが縮む原因となってしまいます。
STEP.5
ゆすり洗いが終わったら、水を何度か入れ替えながらすすいでいきます。
STEP.6
泡が出なくなったら浴槽のふちにかけて乾かしましょう。このとき変な折り目をつけないよう気をつけてください。
STEP.7
30分程放置したら、タオルで挟みながらタオルドライをしていきましょう。タオルに水分をしっかりと移すことでより早く乾かすことができます。
STEP.8
最後にハンガーにかけて陰干しをして十分に乾かしていきます。

時間と手間がかかる洗濯方法ですが、この寄りかたですとウールを傷めずに、トラブルも起きにくいので、汚れを感じたらぜひ試してみてください。

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ウールコートを長持ちさせるための注意点

ウールコートのお手入れをできるだけ最小限で済ませるために、普段の扱いを見直してみましょう。コートが劣化してしまう大きな原因は、摩擦と型崩れです。生地が擦れることで毛玉ができたり、色落ちするなどして、本来の型ではない形に変形することで、徐々にくたびれ感が増してしまいます。

使い込むほど味が出る場合もありますが、基本は買ったときの状態を長く続かせることが、コートの寿命を延ばすことにつながりますので、コートの着用方法に気をつけましょう。

着用前

ウールコートの下に着る物の素材を考える

衣類にとって摩擦はダメージの原因となります。ウールの場合摩擦で静電気が発生すると毛玉の原因にもなるので、なるべく静電気は避けたいものです。そのためにはコートとよく触れ合う、インナーの素材を考えなければいけません。天然繊維は化学繊維と相性が悪く、静電気を帯電させやすくなってしまいます。

ウールは天然繊維なので、その下にはポリエステルやアクリルなどの素材はなるべく避けるようにしましょう。乾燥が強い冬などは天然繊維の衣類だけでコーディネートすると、静電気の発生をグンと減らすことができますので試してみてください。

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静電気防止スプレー、防水スプレーを使う

静電気が起きないよう、あらかじめ防止してくれるのが静電気防止スプレーです。このスプレーには「界面活性剤」が含まれていて、水分を吸収して膜を張る性質があります。そのため摩擦を少なくしてくれ、さらには吸収した水分が蒸発する際に、静電気も一緒に空気中へ運んでくれる働きもあります。

この働きにより、ウールコートを静電気から守ってくれるのです。また、ウールに水は大敵ですので、雨や雪の心配がある場合は防水スプレーを使用すると良いでしょう。水だけでなく、水に含まれた汚れも染み込ませないので、帰宅後のお手入れが楽になります。

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着用中

マフラーをまいて首との接触をガード

コートはアウターなので、基本的には汗や皮脂汚れはあまりつきませんが、気をつけたいのは首回りです。コートが唯一肌に直接触れるのがこの部分です。ワイシャツの襟元などを見てもわかるよう、首周りは皮脂汚れが多く、汗染みなどができやすい場所です。女性の場合はファンデーションをつけていることが多いので、どれだけ気をつけてもコートへ移ってしまい落ちないシミとなってしまうことがあります。

そのため、コートが直接肌に触れないようマフラーを巻いてからコートを羽織るようにしましょう。マフラーならコートより洗濯しやすく、気軽に着用が可能です。マフラーが嫌な場合は、タートルネックでもかまいません。

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こまめに脱ぐことを心掛ける

コートの型崩れを防止する方法のひとつに、こまめにコートを脱ぐことが挙げられます。ずっとコートを着続けていると、立ちしゃがみや椅子に座るタイミングなどで生地に負担がかかり、シワができたり型崩れを起こすことがあります。また、室内で着続けていると暖房のせいで汗をかき、その汗がコートに移ってしまうので、コートはこまめに脱ぐことをおすすめします。

着用後

ハンガー選びが重要

帰宅したら、まずコートはハンガーにかけて収納しましょう。このとき、ハンガーによってはコートの型崩れを起こしてしまう原因となるので、ハンガー選びが需要になります。コート専用のハンガーにかけるのがベストですが、家にない場合は以下のようなハンガーにかけるようにしてみてください。

  • ハンガーの幅とコートの肩幅が合っているもの
  • 肩の部分に厚さのあるもので、針金1本でできているものは避ける
  • 吸湿性、防臭性に優れているので木製のハンガーがおすすめ

家のハンガーのサイズを統一してしまっている方もいますが、実はハンガーにもサイズがあります。かける衣類に合わせてサイズを選んであげることで、型崩れを布施後ことが可能です。また、ウールコートは重みがあることが多いので、肉厚のハンガーがおすすめです。

欲を言えば木製のものが良いですが、なければプラスチック製でも問題ありません。どうしても幅のあるハンガーがない場合は、ハンガーにタオルを巻きつけて幅を出す方法もありますので、くれぐれもか弱い針金ハンガーにだけはかけないようにしまよう。

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連続着用はやめる

気に入っているから、またはその1着しか持っていないからという理由で、ウールコートを連続着用することは避けましょう。毎日着ていればその分汚れる機会も多くなるので、お手入れの頻度も多くなります。

生地に触れば触った分だけ多少なりとも劣化していきますので、生地を休ませる期間というのは重要です。1着のコートを毎日着るより、2着を着まわすほうが両方とも寿命が延びますので、可能な限り多くのコートを着まわしていくことをおすすめします。

ウールコートはお手入れ次第で良い状態を保てる!

暖かさが抜群のウールコートは冬の必需品といっても良いですが、しっかりとお手入れをしないとどんどんと劣化してしまうものです。1度着用したらしっかりとメンテナンスをするという癖をつければ、いつも良い状態で着ることができます。

そうすればコートに愛着がわき、また丁寧にお手入れをするという良い循環をができるので、お手入れを面倒と思わず毎日のルーティンにしてみてください。

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