アイロンがけは結構面倒な家事のひとつです。「早く終わらせたいから、いつも高温設定でアイロンがけ…」実はその行為が知らぬ間に衣類を傷めているかもしれません。衣類の素材別によって温度を使い分けることで、生地を傷めずそのうえ綺麗にアイロンがけができますよ。
アイロンの温度設定使い分けてる?
「毎朝Yシャツを着るご主人や高校生の子供の制服のシャツ…」アイロンがけは休みの日もやらなくてはいけない家事のひとつですね。そんな毎日のアイロン、温度設定に気をつけていますか?
アイロンの温度設定は知っているけれど、低温設定だとしわが取れにくそうだから毎回高温設定をしてアイロンをかけていませんか?衣類には、洗濯タグがついていて、そこにはアイロンマークも表示されています。それを確認して、それぞれの適切な温度設定でアイロンをかけることが大切です。

高温であてるもの
「時間がないからとりあえず高温!」「しわしわの衣類には高温しかないでしょ」そう思うかもしれませんが、高温設定であてるべき衣類は限られています。高温は170℃~210℃です。アイロンマークに”高”と表示されているものは高温設定でOkです。綿や麻素材は、洗濯するとしわがつきやすい素材です。これらの衣類は、高温設定がおすすめです。
中温であてるもの
中温は、140℃~160℃です。アイロンマークに”中”と表示されています。フリース・毛(ウール)、レーヨン、カシミヤ、キュプラ、ポリエステルなどは、中温でかけるとシワが取れやすいです。高温であてると表面がテカテカしてしまったり変色してしまいます。
低温であてるもの
低温は、80℃~100℃です。アイロンマークに”低”と表示されています。ポリウレタン、ポリエステル、アセテート、アクリル、ナイロン素材は低温設定でかけましょう。熱に弱い素材なので、こちらも中温以上でかけると生地がテカテカしたり溶けてしまう可能性もあります。
当て布はした方がいいの?
当て布をしないと傷んでしまう素材は下記の通りです。基本的に綿生地や麻素材以外は、当て布をすることが推奨されます。

シルク
高温に弱いので、当て布は必須です。シルク繊維の美しい風合いを失わないよう、同じ場所を何度も往復せず流れるようにアイロンがけをしましょう。

毛(ウール)
比較的しわになりにくい素材ですが、長期間押入れにしまっていたせいで深いしわがついている場合などはアイロンが必須です。当て布をして、しわを取って綺麗に着こなしたいものですね。しわが綺麗に取れると、まるで店頭にある商品のようにきれいに生まれ変わります。アイロンはしわを取るだけではなく、素材の持つ風合いを保つ役割もあります。

カシミヤ
保温性に優れたカシミヤも、当て布をして長く着られるように優しくアイロンがけをしましょう。

レーヨン
着心地も良く吸水性にも優れていますが、しわがつきやすい素材です。こまめなアイロンがけで美しい状態を保ちましょう。

ポリエステル
ポリエステルは、しわがつきにくいのであまりアイロンがけの必要はない素材です。たたみじわや長期保管でついたシワを取るには、当て布をしてアイロンがけをしましょう。いくら低温でアイロンをかけても、当て布をしないとテカる素材です。

黒や紺色の衣類
当て布をしないでアイロンをかけるとテカりやすい色です。温度に関わらず、当て布をして優しくアイロンがけをしましょう。

アイロンの温度調節の仕組み
アイロンの電源方式による違い
アイロンにはコードレスタイプとコード付きタイプがあります。
コードレスアイロン
コードレスアイロンは、場所を選ばずアイロンができるのが利点です。専用の蓄熱台において充電する方式で、温度が下がると再加熱する仕組みになっています。アイロンする衣類が多い場合には、アイロンを置いたり取ったりと手間と時間がかかるのが難点です。蓄熱台に置いて、充電ランプが完了するランプを毎回確認する必要があります。

コード付きアイロン
コード付きなので、充電ランプが完了するのを待たずに連続してアイロンをかけることができます。アイロンをかける面積が広い場合も、こちらがおすすめです。難点は、コードがあるので取り回しがしにくい点が挙げられます。クリーニング屋さんのアイロンも、常にハイパワーで何百枚もアイロンをするのでコード付きです。


温度ヒューズの仕組み
熱が必要な家電、ヘアアイロン、ヘアドライヤー、加湿器などにも温度ヒューズが内臓されています。その機器の内部の温度が上昇し、所定温度に超えると溶断する機能です。その温度ヒューズが故障した場合は、破棄するかメーカーへ修理依頼する必要があります。
故障したかな?症状の色々
アイロンの様子がいつもと違う時は、放置せずすぐに対処しましょう。修理が必要な場合からご自身で対処できる軽い症状まであります。
- アイロンがけをしたら衣類が茶色くなった
- スチームを使用すると服が白っぽくなる
- 電源を入れてもランプが点灯しない
- 電源が入らない
故障ではない可能性があります。洗濯した衣類に洗剤が残っていると、その部分が茶色くなってしまうことがあります。
水あかが付着している可能性があります。アイロンの前に、きれいな布でアイロン本体を拭くと症状が改善されます。
アイロン内部のコードが断線してしまっている可能性があります。家電専門店やメーカーに修理を依頼しましょう。
続いては、同じ症状ですが原因が違うケースです。前述した内部コードの断線など本体の故障ではなく、延長コードの劣化が原因の場合もあります。
延長コードの根本がぐらぐらしていると、火災の原因にもなるくらい危ないので、これを機会にご家庭のアイロンを確認しましょう。たこ足配線をしていると、コードが曲がり付加もかかります。単独配線で使うように気をつけましょう。
アイロンがけが楽になるおすすめアイテム4選!
アイロンの温度設定は分かりましたね。それでも、初めからかなりしわがついている衣類をきれいにするには時間も気合も必要です。そんなあなたに、しわが取れやすくなる便利グッズをご紹介します。


【花王】アイロン用キーピング 衣料用のり剤 ハンディスプレー
シャツの襟部分だけやしわがつきやすい部分にスプレーするだけで、かんたんにのり付けすることができます。これがあれば楽々アイロンがけができますよ。汚れを付きにくくする成分配合で、毎日着るシャツなどに最適です。
【花王】キーピング スムーザー アイロン用シワ取り剤
アイロンのすべりをよくしてくれる製品です。全体的にしわがついていても、これをスプレーするとしわが楽々取れていきます。戻りじわも防いでくれる優れものです。
【白元】ミセスロイド スタイルメイト しわ・ニオイとりミスト
アイロンがけをする際、いい香りがするものを選べば気分も上がりますよね。こちらは、薔薇の香りがするスプレーで、しゅっとかけてあげるだけでアイロンがけがスムーズに楽になります。除菌・抗菌成分配合で、花粉やほこりも付着防止機能もあります。
【ダイソー】アイロン用のりスプレー
手軽に取り入れてみたい方には、100円均一の商品がおすすめです。効果は上記メーカーよりは劣りますが、軽いしわを伸ばすには十分使えます。
アイロンの温度調節をマスターしてアイロンがけを楽しもう!
衣類の素材によって、アイロンの温度設定を変えることがいかに重要かお伝えしました。アイロンがけを正しく行うことで、お気に入りの洋服を長く愛用できますし、何より気持ちよくお出かけできます。
「よれよれのブランドシャツを着ていく」より、「安くてもパリっと綺麗にアイロンがけされたシャツ」を着ていると好感を持たれるものです。アイロンの温度設定をうまく使いこなして、大切な衣類を美しく長く着ていきましょう!
