スーツを毎日着用する方、時々の着用で保管期間が長い方、それぞれスーツの収納方法はどうされているでしょうか?なんとなくハンガーにかけておしまい、なんて場合は要注意です!スーツは正しく収納しないと劣化が進み、早くダメになってしまいます。スーツの特徴を加味して収納方法を変えたり、保管場所ごとに収納を工夫するだけでスーツの寿命を延ばすことも可能です。今回はスーツの正しい収納方法をご紹介します。
目次
スーツはハンガーにかけて収納するだけではダメ!
毎日スーツを着用する方は、一日の終わりにスーツを脱いでそのままハンガーにかけるだけという収納方法が多いかもしれません。
「明日すぐに着るし」という気持ちはよくわかりますが、スーツは気軽に洗濯できる衣類ではないので、しっかりとメンテナンスをしてからの収納が大切です。
メンテナンスなしの収納を繰り返していると、シワができてしまったり、型崩れを起こしたり、カビの発生の原因にもなってしまいます。
誰でも1着は持っているスーツなのに、正しい収納方法を知らない方が意外に多いので、しっかりと収納方法を勉強していきましょう。
スーツを収納する前の下準備
まずはスーツを収納する前に下準備をしておきましょう。このメンテナンスをしっかりと行うことで、スーツが収納しやすくなりますし、スーツの傷みを和らげることができます。
ポケットを空にする
まずはポケットの確認です。ポケットに物が入っていると型崩れの原因となりますので、内ポケットや胸ポケットもしっかりと確認しましょう。
また、よくあるのがハンカチの入れっぱなしです。ハンカチ程度では型崩れはしにくいですが、注意したいのはハンカチの汚れです。
汗などを拭いたハンカチを長時間放っておくと、雑菌が繁殖して臭いやカビの原因となります。飴やガムなどの食べ物も危険ですので、物の大きさや重さに関わらず、衛生面から考えてポケットは必ず空にしておきましょう。
ブラッシングでゴミをはらう
衣類用のブラシというものがあり、スーツは特にこのブラッシングが重要なメンテナンスになります。スーツはウールなどの天然素材の生地が多く、そのような素材は汚れやホコリが付着しているとどんどんくたびれていってしまいます。
ブラシをかけることで繊維に入ってしまった汚れを落としたり、乱れた繊維の毛並みを整えることができ、本来の素材の質感が戻ってきます。1日着用したスーツは思っている以上に汚れていますので、着用後の定期的なブラッシングが理想的です。
ジャケットのブラシのかけ方
パンツのブラシのかけ方
- -ポイント-
- とにかく優しく
- ブラシは水平に持ち、上から下が基本
- ブラッシングは毎日かけるのが理想
衣類は摩擦によって傷んでしまうので、間違ってもブラシで摩擦をかけないよう気をつけましょう。衣類用のブラシはコシがある毛が使用されているので、毛の力だけで十分な力があります。優しくなでるだけでホコリは落とせます。
ブラシは床と平行になるように持つことで、ブラシの毛とスーツの繊維が整えやすいポジションになります。そして上から下にかけ、繊維に余計な摩擦を起こさないようにしましょう。しかし、ゴミやホコリが詰まっているように感じた場合は、下から上に向かってかけることで汚れが落ちやすくなります。
洗濯を頻繁にできないスーツなので、メンテナンスはこまめにしましょう。毎日ブラッシングをすれば、汚れもたまりませんし、シワなどもできにくく長持ちさせることが可能です。毎日が難しい場合は、3日に1回のペースでもかまいませんので、ブラシをする癖をつけてみてください。
スーツ用ブラシの選び方
衣類用のブラシを検索してみると、その種類の長に驚きます。衣類の素材や形状に合わせて様々なブラシがあります。安いものですと1,000円前後からありますし、高いと万単位で売られていることもあります。
そのなかでスーツにおすすめのブラシは、天然の毛が使用されているブラシです。天然桶は静電気が起こりにくいので、衣類との摩擦の心配を減らせますし、滑らかな肌触りなのに適度にコシがあるためホコリを効率よくはらってくれます。
また、生地につやを与える効果もあるので、購入したてのときにあった光沢が戻ることも期待できます。豚毛や馬毛などがありますので、サイズやカラー、値段などから
好みのものを選んでみてください。
除菌をしてから陰干しする
ホコリやゴミが取れたら、除菌も忘れずにしておきましょう。特に夏場などは、1日着たスーツには汗がたっぷりと染み込み雑菌の温床となっています。市販の除菌スプレーでいいので、しっかりとスプレーをしてから湿気をとるための陰干しをしましょう。
風を通してあげることで、カビや臭いを抑えてくれます。湿気は生地を傷めて、不自然な重さを与えてしまうので、型崩れの原因にもなります。スーツを収納する前には、必ず陰干しで水分を飛ばしましょう。
自宅でのスーツ収納方法
それではいよいよスーツの収納方法をシーン別に見ていきましょう。
ハンガー選びが重要
自宅でスーツを収納する場合は、ハンガーに吊るす方法がおすすめです。シワがつくのを抑えられますし風も通せますので、メンテナンスと収納の両方を兼ね備えることが可能です。
そのときに気をつけたいのがハンガー選びです。ジャケットにはジャケットの、パンツにはパンツ用のハンガーがありますので、有り合わせのハンガーで済ませないようにしましょう。
ジャケットにおすすめなのが、厚みのあるハンガーです。肩の部分が細いと型崩れの原因となり、見た目も悪いですし着心地も悪化してしまいます。
肩幅のサイズに合わせてハンガーを選び、厚さは3〜5cm程度のものにしましょう。また、木製のハンガーですと防湿効果があり静電気も抑えてくれるのでおすすめです。
パンツ用は裾を挟んで吊るすタイプの横に真っすぐなハンガーを選びましょう。また、ポイントで挟むタイプのものではなく、全体を挟むものにすると余計なシワがつきません。
ジャケットとパンツは別で収納
ジャケットとパンツを一緒に収納する方法もありますが、家では別々にハンガーに吊るすほうが良いでしょう。それぞれのハンガーのかけ方をご紹介します。
ジャケットのハンガーのかけ方
ハンガー選びさえ間違えていなければ、あとはジャケットをかけるだけで大丈夫です。
注意する点は、肩パットがずれないよう適切な位置を守ることくらいです。肩を合わせれば襟や袖も正しい位置に収まります。
パンツのハンガーのかけ方
パンツは通常のハンガーとは違うので、少しコツがいります。まずはパンツの裾を持ち、センタープレスラインで真っすぐ伸ばします。
ここでラインがずれているともう直しようがないので気をつけてください。そして裾をハンガーのピンチで挟み吊るします。裾を上にすることで重心が下に行き、重さでシワを伸ばす効果があります。
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出張や出先でのスーツの収納方法を見てみましょう。家のようにずっとハンガーに吊るすスペースはないので、コンパクトに収納することがポイントとなってきます。
ジャケットとパンツはまとめてたたむ
スーツを1番手軽に持ち運びできるのが折りたたむだけの収納です。たたむとどうしてもシワができやすいですが、最小限に抑えることができるたたみ方をご紹介しますので、参考にしてみてください。
スーツのたたみ方
このたたみ方でスーツケースなどにすんなり入れることが可能です。
スーツを持ち運ぶときに便利なグッズ
たたみ方がきれいであれば、そのままスーツケースなどにしまうだけでも収納は可能です。しかしスーツの持ち運び用のグッズも販売されていますので、上手に使えばさらにスーツを傷めずに収納できます。
ガーメントバッグ
ガーメントバッグとは、スーツを二つ折りに収納でき、手提げとして持ち運びも可能なバッグです。単純なたたみ方で良いので、シワができにくいのが特徴です。
圧縮袋
圧縮袋は布団などの長期保管に便利なものですが、旅行時などに衣類を収納するのにも役立ってくれるお役立ちアイテムです。通常の使い方は、衣類を入れたら掃除機や手の圧力で空気を抜ききり、圧縮することで衣類をコンパクトに収納するものです。
しかしスーツの場合は、たたんで圧縮袋に入れたら空気を抜かずに口を閉めます。そうすることで空気がクッション代わりとなり、他の荷物との接触によるシワから守ってくれます。
スーツを収納するときの注意点
スーツをシワのないよう収納できたら、最後に3つ程注意するべきポイントがあるので確認してみてください。
スーツを入れる場所
スーツをガーメントバッグで持ち運ぶ場合は気にしなくてもいいのですが、スーツケースなどに入れて持ち運ぶときは、入れる場所に気をつけましょう。
スーツの上に物が乗らないよう、スーツが1番上にくるように入れることを守ってください。持ち手に近い部分にスーツがあるように収納すると良いですよ。
臭いや液漏れ
カバンの中は密閉されているので、臭いがこもりやすくなっています。そのため臭いが強いものを入れておくと激しく臭い移りしてしまいます。
おつまみのチーズやお土産のお新香などと一緒に収納する場合は、なるべくスーツ単体で密閉するため、二重に袋に入れてカバーするなどの工夫をしてください。
そうしておけば、うっかりキャップを閉め忘れた飲み物などの液漏れなどからも、スーツを守ることができます。
収納時間に気を配る
キレイにスーツをたたんでいても、長時間たたまれたスーツはどうしてもシワになってしまいます。シワを最小限に抑えるためには、収納時間をできるだけ短くすることが大切です。
スーツを収納するときは1番最後に収納して最初に取り出すことを心掛け、取り出したらすぐにハンガーにかけるようにしましょう。
シワができてしまったときの対処法
もしたたみ方や収納に失敗してシワができてしまったら、シワ取りスプレーを使用するのが1番手軽です。
寝る前にスプレーしておくだけで翌朝にはシワが伸びています。シワ取りスプレーを持ち運ぶのが面倒であれば、浴室の蒸気をうまく利用してシワをとりましょう。
お風呂上りの浴室にハンガーにかけたスーツを干しておくだけで、蒸気によってシワを伸ばすことができます。30分程でだいぶシワが伸びるので、最後は必ず風通しの良い場所で水分を飛ばしてください。
お風呂場に干しっぱなしにすると湿気で逆にスーツを傷めてしまうので、適度な時間を守るようにしましょう。
スーツを長期保管する場合の収納方法
最後に、シーズンが終わったスーツや冠婚葬祭用のスーツを長期保管するときの収納方法を見てみましょう。
長期保管する場合は次の着用までなかなか目にすることがないため、特に注意して収納する必要があります。
まずはクリーニングに出すのがおすすめ
スーツの長期保管の場合はクリーニングに出すのがおすすめです。基本的に洗えるスーツ以外は型崩れなどの原因になるので、自宅での洗濯は避けてプロのクリーニングに任せましょう。
毎日着ていたスーツも、シーズンごとに1回クリーニングに出してあげるだけできれいに生まれ変わります。
スーツクリーニングをまるっと解説!料金相場・頻度・出し方・出さない期間の手入れなどクリーニングの種類
クリーニングには「ドライクリーニング」と「ウェットクリーニング」があり、汚れの種類によって使い分ける必要があります。
ドライクリーニングは蒸気や揮発性溶剤を利用して油性の汚れを落とすものです。生地へのダメージが少ないので、スーツは基本こちらのクリーニングがおすすめです。
ウェットクリーニングでは汗や血液、尿などの水生のものを落とす力に優れているので、ドライクリーニングで落ちなかった汚れはウェットクリーニングを試してみるといいでしょう。
クリーニングのカバーではなく保管用の衣類カバーを使用する
クリーニングから戻ってきたスーツには、ほとんどの場合クリーニング店のカバーがついています。「ホコリがかぶらなくてラッキー」と思ってそのままにしている方が多いですが、実はこれはNG行為です。
クリーニング店のカバーは風通しが悪いものを使用している場合が多く、かぶせたままにしておくとクリーニングで使用した薬品や湿気がこもったままになり、カビの原因になります。また、汚れがちゃんと落ちているか確認するためにも、1度袋からだすことを心がけましょう。
問題がなければある程度陰干ししてから、不織布などの風通しの良い衣類カバーをかけ収納します。
防虫剤で虫食い防止
スーツをタンスやクローゼットで長期保管するときは、防虫剤を用意しておくと安心です。クローゼットの中は密閉され比較的暖かい温度ですので、虫にとっては住み心地が良い環境となっています。
また、天然繊維のスーツの場合は虫の好物となり、さらにスーツに落としきれなかった汚れがある場合などは虫食いにあう確率が上がります。防虫剤には種類があり、クローゼットにかけるタイプや、服の上に置くタイプ、カバーになっているタイプなどがあるので、どのように収納するかで選んでみると良いでしょう。
スーツの収納をマスターしてビシッときまったスタイルで印象もアップ!
よく使用するスーツもたまにしか使用しないスーツも、しっかりとメンテナンスをしてから正しい収納をすることで、長年愛用ですることがきます。しかも、型崩れやシワが減りますので着こなしもきまり、印象も良くなること間違いなしです。多少面倒と感じるかもしれませんが、ご紹介した収納方法を徹底してみてくださいね。
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