水漏れのトラブルは家を水びだしにしてしまうので、ショックが大きいですよね。特に洗濯機の水漏れとなると、「家電の知識がないと対応が難しい」と思ってしまい、すぐに業者を呼んでしまいがちです。しかし水漏れの原因を知れば自分で対処できるケースも多く、日ごろのメンテナンスをしっかりしていれば水漏れの心配もぐんと減らせます。今回はそんな洗濯機の水漏れにときに活用できる情報をお届けします。
目次
洗濯機の水漏れの原因とは?
洗濯機からの水漏れを発見したら、まずはどの箇所から水が漏れているのかをみつけましょう。水漏れの原因は、どの箇所から漏れているかで変わってきます。
水漏れが起きている箇所をみつける
蛇口周辺
蛇口周辺の水漏れは、蛇口のナットの緩みが原因であることが多いです。ナットやネジの緩みをみつけたらモンキーレンチできつく締め直し、水漏れが止まるか確認をしましょう。緩んだ部分をしめ直しても水漏れが直らない場合は、蛇口のナット内部のパッキンが劣化している可能性があります。
排水ホース周辺
洗濯機の水漏れの原因の上位となっているのが、排水ホース関連の水漏れです。物を落したり、ペットのいたずらなどでホース自体に穴が開いてしまったり、老朽化によりひび割れなどが起こることもあります。
排水ホースの接合部から水が漏れている場合は、糸くずが詰まったり、汚れがたまっている可能性が高いでしょう。
排水ホースにごみが詰まらないよう、ほとんどの洗濯機にはごみとリネットがついてはいるのですが、やはりネットだけではごみは取り切れませんので、定期的な掃除が重要で、掃除を怠っていると本来の寿命より短くなり劣化が早まり、水漏れしやすくなってしまいます。
排水ホースの水漏れは被害も大きくなりやすく、床一面が水浸しなどもあり得ますので、ホースの劣化には早く気がつきたいところです。
洗濯機の排水ホースを交換する時期と手順5ステップ!これであなたも業者いらず 洗濯機が排水できない時の対処法!“パイプユニッシュ”でホースや内部の詰まりを解消しようエルボやニップルなど各種接続部分
蛇口と吸水ホースをつなぐニップル部分、排水ホースと排水溝をつなぐエルボ部分、排水ホースを延長している場合はその延長部分など、洗濯機にはいくつかの接続部位があります。
接続部分は取り付けが甘かったり、ネジなどが緩んだらすぐに水漏れを起こす場所ですので、接続部周辺から水漏れを発見したらドライバーなどでパーツとパーツの間をしっかりとしめてみましょう。
洗濯機を購入したばかりや引っ越しなどで移動させた場合は、単純に取り付けが甘かったというケースも多いので、取り付け時は念入りにチェックしておきましょう。接続部分の取り付けの甘さがないのに水漏れをするときは、部品自体の破損や老朽化の可能性が高い、部品を交換しなければ直らない場合もあります。
洗濯機の下部などの本体
洗濯機の底など下部からの水漏れは、洗濯機本体の故障や劣化などが考えられます。洗濯槽や底にひびが入ってしまったり、部品の故障が原因となって水漏れが起こります。フィルターや洗剤投入口、ごみ取りネットなどの掃除をさぼると、洗剤カスや糸くずなどがヘドロ状になってつまりの原因となります。
そして排出されるはずの水が逆流し水漏れとなるケースが多く、やはり定期的な掃除が必要です。さらに、洗いやすすぎなどの使用中に水漏れしてくる場合は内部の故障の可能性が高いので、技術的な修理が必要となってきます。
洗濯機には寿命がある
洗濯機の水漏れの原因は、取り付けの甘さという簡単なミスの場合や、メンテナンス不足による劣化や故障というケースが多いです。しかし、取り付けもメンテナンスもしっかりと行っていても、洗濯機自体の寿命がきてしまい、水漏れが起きてしまうこともあり得ます。
洗濯機は10年以上2,500回以上使用すると、どうしてもがたが生じてきます。耐用年数を超えたものは、買い替えを考えた方が安上がりな可能性もありますので、修理することだけに固執しないよう気をつけてください。
洗濯機・ドラム式洗濯機の寿命は何年?こんな症状が出たら買い替え時期かも!洗濯機が水漏れしたときに行うべき4つの対処法
次に、洗濯機からの水漏れに気がついたときの対処法を4つご紹介します。慌てずに対処して、可能な限り被害を最小限にとどめましょう。
まずは3ヶ所の水を止める
1ヶ所目
洗濯機からの水漏れを発見したらまずは洗濯機の運転をやめ、排水ホースなどに水が流れ込むのを止めましょう。
2ヶ所目
次に蛇口をしめて、洗濯機自体へ水が流れ込むのを止めます。
3ヶ所目
これでも水漏れが収まらない場合は、水道の元栓をしめてみましょう。水道の元栓は戸建て、アパート、マンションで設置場所が異なりますが、ガスの元栓と一緒の場所で玄関付近にあることが多く、ハンドルを回すだけで簡単に開閉が可能です。
故障箇所の修理や交換
水漏れしている箇所が分かったら、必要に応じて部品の修理や交換をしましょう。修理道具や交換する部品は、ホームセンターなどで売っている場合も多いので、自分で洗濯機の水漏れを直すことが可能です。
排水ホースの修理方法
排水ホースに穴や亀裂が見つかったら、防水テープで補強をしましょう。テープを巻くだけなので、女性一人でも簡単に修復可能です。また、塗って固めるタイプのパテもあるので、状況に応じて使用しましょう。
補強程度では無理そうな損傷なら、排水ホース自体を新しくしてしまうことをおすすめします。必要な長さの排水ホースを購入して、古いものを取り外して付け替えるのですが、取り外しや取り付けに特に工具はいらず、しっかりと結合部をしめるだけで取り換え完了です。
排水ホースはメーカーから取り寄せなくても、ホームセンターなどにある万能ホースで代用できますので、思っている以上に簡単ですよ。
パッキンの交換方法
蛇口のつなぎ目をふさぐためにゴムパッキンが使用されていますが、これは水漏れを起こさせないための重要な役割を果たしていて、ゴムパッキンが緩むとその隙間からぽたぽたと水漏れを起こします。
ゴムパッキン自体は大変安価ですので、修理するというより新しいものと交換することをおすすめします。サイズが様々ありますので、必ず間違えないように確認をしてから購入してください。
交換方法はスパナやドライバーを使用して蛇口を分解していきます。ゴムパッキンはナットを外した部分にありますので、そこから取り出し新しいものと交換して、蛇口を元通りに組み立てたら終了です。
ニップルの交換方法
ニップルが破損してしまったり、ネジが緩くなった場合も交換をおすすめします。方法はパッキンの交換とほぼ同じで、蛇口を分解してニップルを取り外し、新しいものと交換します。古いタイプのニップルはネジの山がつぶれていたりするので、慎重に取り外しましょう。
排水エルボの交換
エルボはL型のプラスチック素材でできた、排水溝と排水ホースを接続する部分に使用する部品です。エルボを通る水は排水される水なので、漏れると床を汚す可能性が高く、破損が見つかればすぐに交換をしましょう。
洗濯機や家の構造でエルボの種類が多少異なることに注意して、古いものを排水ホースから外し、新しいものと取り換えて排水溝に差し込み交換完了です。排水ホースがエルボから外れてしまわないよう、留め金などがついているのが一般的ですが、ない場合は結束バンドなどを代用してしっかりと固定しましょう。
洗濯機の掃除
破損や故障などを直したら、次はなるべく長く使用できるよう、定期的な掃除を心掛けましょう。掃除が必要なのは次のような個所です。
洗濯機の掃除を自分でやってみよう!やり方・手順・注意点・頻度・おすすめ洗剤まで洗濯槽
洗濯槽にはかなりの汚れがたまります。そのため洗濯槽専用の洗剤も販売されているので、それを上手に利用して汚れを落しましょう。洗濯槽の掃除には半日程度かかるので、午前中に洗濯を終え、その後から掃除をすれば翌日にはきれいな洗濯機で洗濯ができます。
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ごみ取りネット
ごみ取りネットは、洗濯するごとにたまったごみを取り除いていれば、ほとんど掃除の必要はありません。ごみ取りネットにごみが満タンになったまま放置すると、排水ホースや排水溝にごみが流れて結果的につまりの原因となりますので、こまめにごみを取り除きましょう。
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排水ホースは水がたまりやすく、ごみが詰まっていると雑菌がわいて悪臭の原因となります。3ヶ月に1度は掃除をしたい箇所です。掃除方法は丸洗いで、洗濯機と排水溝からホースを取り外したら、バケツなどに重曹を溶かしてそこに浸け置きしておきましょう。
1時間程度したら取り出してシャワーなどで洗い流し、再び取り付けて完了です。汚れがひどい場合はつけ置きの時間を長くしましょう。
排水溝
排水溝も悪臭がする原因となる箇所で、ここには市販のパイプクリーナーで掃除を行いましょう。こびりついた汚れも溶かしぬめりを除去してくれますので、水が詰まることがなくなります。
排水口掃除の方法を場所別に解説!おすすめ洗剤10選・パイプブラシ5選もご紹介防水パン
洗濯機の下に設置してある受け皿をパンと言い、ここは床のホコリや髪の毛などがたまりやすくなっています。排水ホースを外したとき、そこにたまった汚れが排水溝に入り込んでしまうので、日ごろから床掃除と同じように掃除をしておくことをおすすめします。
洗濯機の下を掃除する方法!洗濯機の動かし方・おすすめ業者・排水口掃除などを解説業者へ修理の依頼
「洗濯機の掃除をしてみたけれど水漏れが直らない」、「故障個所が分かったけれど自分では直せそうにない」そんなときは無理をして自分で修理をしようとせず、業者のかたにお願いしましょう。特に洗濯機内部の故障は素人では直せないことが多いので、近くの専門業者連絡を入れてください。
水漏れ修理は1万円~2万円程度の料金が相場となっていて、部品の交換が必要な場合はさらにプラスで費用がかかります。メーカー保証期間中であれば無料での交換が可能かもしれませんので、メーカーに問い合わせてみるのも良いでしょう。
さらに最近は修理だけでなく、洗濯機の掃除も行ってくれる業者もあるので、徹底的にきれいにしてもらいたいかたは頼んでみると良いですね。
洗濯機を水漏れさせないための対策5つ
最後に洗濯機の水漏れを防ぐため、気をつけたいポイントを確認しておきましょう。
洗濯物は入れすぎない
洗濯機は、1度に洗濯できる洗濯物の量が決まっています。その量をオーバーして洗濯をしていると、いずれ故障の原因となり、水漏れを起こす可能性が高くなります。
量が多いときは無理に詰め込まず、2回に分けるなどの工夫を心掛けましょう。目安としては、許容量よりマイナス1kg程度少なめで洗濯することで、洗濯機への負担が軽減できます。
定期的に掃除をする
洗濯機にまでなかなか掃除の手が伸びないというかたは多いですが、定期的なメンテナンスは必須です。洗濯槽、排水ホース、排水溝、これらにゴミが詰まることが水漏れに大きく関わってきますので、毎月1日は掃除をする日と決めてしまうなど、家事のルーティンに組み込んでいきましょう。
洗濯機の掃除を自分でやってみよう!やり方・手順・注意点・頻度・おすすめ洗剤まで
使用しないときは蛇口を閉めておく
洗濯機につながる蛇口を、いつも開けっ放しにしていませんか?蛇口が空いていても、洗濯機が動いていなければ水が流れませんが、吸水ホースには負担がかかっています。外出時に故障や破損で水漏れしてしまうことも考えられるので、洗濯が終わったら蛇口をしめる習慣をつけておきましょう。
防水パンを設置しておく
古いタイプの賃貸アパートやマンションですと、まれに防水パンの設置がないケースもあります。その場合はネット通販やホームセンターで購入できますので、設置をおすすめします。もしも水漏れをしてしまったとき、この防水パンが受け皿となり被害を食い止めてくれ、さらに排水溝の掃除も行いやすくなるので一石二鳥です。
自動止水栓を取付ける
何らかの衝撃で吸水ホースが蛇口から外れてしまうことがあると、それが原因で水漏れしてしまうことがあります。その心配をなくすために、自動止水栓を取り付けると良いでしょう。自動止水栓はホースが外れても蛇口からの水を自動で止めてくれるので、蛇口から水が垂れ流されるのを防止できます。
さらに最近では自動止水栓にレバーがついていて、そこで水の流れの開閉ができるような商品もありますので、水漏れだけでなく水道代の節約にも一役買ってくれるでしょう。
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日ごろのメンテナンスで洗濯機の水漏れをなくそう
洗濯機からの水漏れはそうよくおこることではないので、目の当たりにするとなかなかの衝撃を受けます。急なトラブルとなることが多く、本来なら自分での修理が可能でも、まずは業者に電話して修理を頼んでしまうパターンが多く、思わぬ出費となってしまいます。
そうならないためにも、日ごろから洗濯機のメンテナンスを心掛け、掃除はもちろん、劣化している部分は壊れる前に取り換えてしまうのも良いでしょう。少しだけ洗濯機を気にかけるだけで、ほとんどの水漏れは防げますので、いざというときに慌てないよう、しっかりと対処してください。
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