「シルクは自宅で洗えるの?」とシルクの洗濯方法に悩む人は多いですよね。洗濯表示で水洗いできるものなら、自宅でも洗うことができます。ここでは、自宅で洗う際の失敗しない方法、洗い方の手順、注意点などをご紹介しますので、ぜひコツを覚えてご自分で洗濯、お手入れをしてみてください。
目次
シルクってどんな素材?
シルクの衣類やハンカチなど、馴染みのある素材ですが、具体的な特徴や性質はわからないことも多いのではないでしょうか。洗濯をする上で、素材を知ることはとても重要。まず、シルクの性質や特徴を理解していきましょう。
シルク生地の特徴と種類|その魅力と見分け方をチェックしよう!シルクとは
シルク(絹)は、カイコから採取される繊維からできており、古くから高級品として扱われてきました。エジプトのクレオパトラや日本なら卑弥呼まで愛用されていたといわれており、現在でもドレスや着物といったフォーマルウェアを中心に使用されています。
しなやかな肌触り、優雅な光沢、吸放湿性、保湿性があり、快適な着心地です。
シルクの性質・特徴
光沢・色彩
真珠に例えられるほどの光沢を持つシルクは、上品さの象徴です。蚕が繊維を作り出す過程での層状構造や内部の複雑な構造が光沢を生みだしています。
また、様々な染料に美しく染まるという特徴もあり、繊細な図柄でも鮮やかに染め分けることができます。シルク本来の美しさも染め上りの美しさも、シルクならではです。
吸湿性・通気性・保湿性
シルクは綿の1.3~1.5倍ほどの吸水性があるといわれており、放湿性も綿と変わりません。微細な多孔質構造をしているシルクは、繊維の間にたくさんの空気を含むことができるため、熱伝導率が低く、暑さや寒さに影響されにくくなっています。
「天然のエアコン素材」といわれるほど、冬は温かく夏は涼しく、吸湿性、通気性、保湿性など優れた性質を持ち合わせています。
強さ
繊維の中でも強靭な部類に入るシルクは、羊毛や綿よりも引っ張り具合が強いといわれています。細い糸が織りなしている見た目からは、想像もできませんよね。
静電気をカット
シルクは吸湿性に優れているため、静電気は起きにくいとされています。衣類の着脱時に起きる静電気の不快感を味わうこともありません。
紫外線カット
カイコは紫外線を浴びないように守る機能が備わっています。そのため、シルク製品には、UV-B波やUV-C波が吸収され、紫外線をカットしてくれるのです。
紫外線のカット率は90%前後ともいわれているため、衣類だけでなく、健康・美容・医療といった分野からも注目されています。
シルクの洗濯・洗い方が難しい理由
そもそもシルクはとてもデリケートで、洗濯が難しい素材です。シルクの主成分は人間のお肌と同じ「たんぱく質」であるため、できる限り注意が必要です。
失敗したらどうなるの?
シルクの選択に失敗すると、色落ちや縮み変質を起こしやすく、日光に当てるだけでも黄色く変色することがあります。そうなると、もう着ることができなくなります。
洗えるシルクも登場
最近では「ウォッシャブルシルク」や「シルク混紡」など、洗えるシルクも販売されています。自宅で水洗いをしても、色落ちや縮みといった失敗が少なく、日光に当てても黄ばみが少なくなるように加工されたものです。とは言え、他の衣類と同じように洗っては失敗するので、洗い方には注意が必要です。
自宅でできるシルクの洗濯・洗い方
シルクは自宅で洗うのが難しいとされていますが、ここでは自宅での洗い方についてご紹介します。最近では、洗えるシルクも販売されていますが、シルクを自宅で洗いたい方はしっかりチェックしてくださいね。
洗濯表示を確認する
まずは、水洗いが可能かどうか「洗濯表示」で確認しましょう。洗濯機で洗うことができるかどうか、水流の強さ、水温、洗濯ネットの有無、洗剤の種類、干し方まで細かく記載されています。これらはシルクを洗うための大切なポイントです。指示を守って、洗濯する準備をしましょう。
新しい洗濯表示(洗濯マーク)を確認して正しくお洗濯!変更のポイント・一覧・見方を解説中性洗剤を用意する
シルク素材の洗濯には、衣類への負担が少ない中性洗剤がおすすめです。ここでは、“エマール”や“アクロン”など、おすすめの中性洗剤をご紹介します。
中性洗剤おすすめ10選と特性を徹底分析!洗えるのはおしゃれ着だけではない?アクロン
アクロンは、衣類を優しく洗って見た目を整えてくれる洗剤です。洗うだけで洗濯ダメージや着用ダメージまでケアしてくれます。
泡切れもよく、すすぎ1回でも問題ありません。普段着もおしゃれ着も見た目を整えて、衣類を長く綺麗に保つことができます。
- 香り:フローラルブーケの香り/ナチュラルソープの香り
エマール
衣類のヨレや縮み、毛玉、色あせといった洗濯ダメージを防ぎ、汗や汚れをすっきり落としてくれるおしゃれ着用洗剤です。ドライコースで洗うことで、新品のような仕上がり感をキープすることができます。
- 香り:リフレッシュグリーンの香り/アロマティックブーケの香り
【パックスナチュロン】洗濯用液体石けん
ウールやシルクも洗うことができる液体石けんです。植物油を原料とし、高濃度40%の液体石けんなので、衣類がふんわりとソフトに仕上がります。
容器には、ワンタッチ計量カップがついており、すぐに洗濯をすることができます。無香料なので、香りが苦手な人にもおすすめです。
シャボン玉スノール 洗濯用粉石けん
シルクやウール、木綿、麻、化繊といった素材の衣類も綺麗に洗うことができる洗濯用粉石けんです。香料・酸化防止剤・蛍光増白剤・合成界面活性剤を一切使用していない無添加の粉石けんで、純石けん分99%です。
洗浄力がとても強いうえ、ふんわりとやわらかく仕上がります。さまざまなおしゃれ着に対応しています。
洗う前に色落ちのチェックをする
洗濯表示で、「洗濯可能」となっているシルクでも、色落ちの可能性があります。特に、海外で購入したものは、色止めが弱い場合があり、水に濡れるとコーティング剤が溶けて、輪ジミになることが考えられます。
シルクの洗濯に失敗しないためにも、洗濯前に色落ちのチェックを行ってください。
色落ちをチェックする方法
これだけです。これで布にシルクの色が付いたり、色がにじみ染みになるようなら、家庭での洗濯は難しいでしょう。その場合は、クリーニング店に依頼するようにしてください。
シルクを手洗いで洗濯しよう
シルクを手洗いする場合の手順をご紹介します。
シルクを洗濯機で洗おう
シルクを洗濯機で洗う場合の手順をご紹介します。
シルクを洗濯・洗うときの注意点
シルクを手洗いする方法、洗濯機で洗う方法をご紹介しましたが、再度「絶対にやってはいけない注意点」を説明します。
普通洗剤は使用しない
シルクはとてもデリケートな素材のため、普通の洗濯洗剤だとシルクのたんぱく質成分まで、汚れと一緒に落ちてしまうということがあります。
もし普通の洗剤で洗うと、シルクの光沢や柔らかさがなくなり、ゴワゴワした状態となり、二度と元の状態に戻らなくなってしまうので注意してください。
柔軟剤は使用しない
柔軟剤もシルクにとっては強い刺激となります。繊維が崩れてしまうので、使用は控えるようにしてください。柔軟剤だけでなく、酸素系漂白剤も同様です。
乾燥機は使用しない
乾かすのが簡単だからといって、シルクを乾燥機に入れるのは絶対に止めましょう。シルクは高温に弱い素材であり、乾燥機に入れることで繊維が毛羽立ったり、毛玉ができてしまいます。
シルクの持つ光沢はなくなり、柔らかさもなくなります。その結果、光沢もない柔らかさもない、ゴワゴワしたシルクとなってしまいます。
シルクを洗濯した後に正しくアイロンをかけよう
シルクを乾かす際に「アイロンがけ」をご紹介しましたが、もう少し詳しく説明します。
シルクは乾いた状態ではなく、濡れた状態でのアイロンがけをおすすめします。生乾きの状態で裏側に当て布をし、低温に設定したアイロンをかけます。
乾いた状態のシルクに関しては、もう一度湿らせてからアイロンをかけるようにしましょう。
シルクの洗濯が心配な場合は無理せずクリーニング店に出そう
大切なシルクは丁寧に扱いたいものです。そのため、自宅で洗う場合には洗濯表示に記載されている内容を守って洗うことが大切です。また、使用する洗剤もシルクを洗うことができる、おしゃれ着用を使用するようにしてください。いつも通り普通洗剤を使用すると、衣類にダメージが残ります。
ただし、無理は禁物です。もし不安な場合や心配な場合には、クリーニング店に出す方が安心でしょう。自宅で洗うよりも費用はかかりますが、綺麗な状態で仕上がるので、衣類を長く着ることができますよ。