普通の洗濯ではなかなか落ちない頑固な汚れに、諦めていませんか?そのような汚れでも、煮洗いをすれば落とすことができるかもしれません。煮洗いは昔からある洗濯方法で、頑固な汚れや嫌な臭いをキレイに落とすだけでなく、殺菌効果も得られます。少し手間のかかる方法ですが、とてもキレイに汚れを落とすことができますよ。今回はそんな煮洗いについてご紹介していきます。
目次
ふきんの煮洗いの基本
“煮洗い”とは、文字通り煮ることで洗浄し、高温で汚れを浮かせて落としていく昔ながらの洗濯法です。煮洗いは、大きな鍋に重曹や粉石鹸などを入れてグツグツと煮込んでいくことが基本的な洗い方です。沸騰したお湯の中につけて洗うため少し手間はかかりますが、確実に殺菌することができます。
ふきんは、キッチン回りや食器などに使用するため常に清潔を保ちたいものですね。ふきんは綿やコットンなどで作られているものも多いため、煮洗いをすることで確実に殺菌をして、頑固な汚れを落としキレイな状態を保つことができます。
また、ふきんは煮洗いにとても向いており、洗い終わった後はとてもキレイに白い状態へ戻すことができます。また、生えてしまった黒カビなどを落とし、防カビ効果を得ることができます。特に油汚れなど、通常の洗濯方法ではお手入れしにくい汚れがついてしまったふきんは、煮洗いをして汚れを落とすことをおすすめします。
コットン素材のものも煮洗いできる
コットン素材のシャツの汗染みや黄ばみは、通常通り洗濯をしてもなかなか落ちずに困ることがありませんか?また、強めの洗剤や漂白を使うことで、生地にダメージを与えてしまうという心配もあるかと思います。
特に、黄ばみの原因でもある皮脂や石鹸カスは通常の洗濯では非常に落としにくく、洗っても洗っても汚れが残ってしまう場合が多いものです。そこで、このようなコットン素材には煮洗いをしましょう。
なお、化学繊維などは高温に弱くダメージを与えてしまうため煮洗いは避けましょう。落ちにくい汚れや清潔を保ちたいふきんなどは定期的に煮洗いしておきたいですね。
鍋を使うのが基本
煮洗いをするのにとても重要なのが鍋です。煮洗いは鍋でコトコトと煮込むことでカビ・皮脂・石鹸カス・黄ばみなどの汚れを落としていきます。
「煮洗い専用の鍋の方が良いの?」と疑問に感じる方もいると思いますが、料理に使っている大きめの鍋や、しばらく使っていない鍋などでも良いでしょう。
ただし鍋の種類によっては、鍋のコーティングが剥がれたり変色したりする可能性もあるため、料理に使っている鍋を洗濯に使うのはちょっと気が引ける…という方は、煮洗い専用の鍋や捨てる前の鍋を使うことをおすすめします。
ふきんを煮洗いする方法と手順
煮洗いは、大きな鍋と、汚れを落としたい衣類やふきん、その汚れに合った洗剤や漂白を使い分けることで、より効果を高め汚れをキレイに落とすことができます。
今回は、煮洗いの方法と手順をご紹介します。
準備するもの
- 洗いたいふきん・衣類
- 煮洗い用の鍋
- 汚れを落とすための洗剤
今回は、重曹・塩素系漂白剤・粉石鹼など、アイテム別で使い方をご紹介致します。
重曹
重曹を使って煮洗いを行う場合は、お鍋のお湯に大さじ1杯~3杯程度の重曹を入れましょう。重曹は弱アルカリ性のため、油汚れや皮脂汚れなど、酸性の汚れをキレイに落としてくれる役割を持ちます。また、粒子が細かくお湯に溶けやすいため、煮洗いにとても適しているのです。そして汚れを落とすだけでなく、嫌な臭いの発生を抑えてくれる効果もあります。
安全性がとても高い重曹は、ペットのいるご家庭や小さなお子さんのいるご家庭でも使いやすいのが特徴的ですが、後ほどご紹介するアイテムと比較すると、重曹による煮洗いは洗浄力がやや劣るのがデメリットでもあります。
重曹は洗濯でも大活躍!特徴や注意点を知って効果的に使おう酸素系漂白剤+粉石鹸
酸素系漂白剤を使って煮洗いを行う場合は、粉石鹸も必要になります。酸素系漂白剤と粉石鹼を1:1にし菜箸などで混ぜながら、ブクブクと泡立っていくのを待ちながら煮ていきます。そうすることで汚れがにじみ出し、白さを取り戻していきます。
酸素系漂白剤には抗菌・殺菌作用もあるため、嫌な臭いがついてなかなか落ちずに困っている衣類やふきんがある場合は、酸素系漂白剤+粉石鹼の方法で煮洗いを行うことをおすすめします。
漂白剤は洗濯に便利!種類・ポイント・使い方まで詳しく解説 おすすめ粉石鹸・保管用に使いたい容器15選!使い方・注意点・保管方法もセスキ炭酸ソーダ
重曹よりも水に溶けやすい性質をもつセスキ炭酸ソーダは、アルカリ性ですが洗浄力がとても強く、そのうえ重曹と同程度の安全性があるため、家庭用のクリーナーとして使いやすいのが特徴です。
セスキ炭酸ソーダは皮脂汚れやキッチンの油汚れなどに強く、汚れを浮かせて落とすことができます。特に、血液など漂白しないと取れない汚れには、強い効果を発揮します。
血のついてしまったシーツや洋服など普通の洗濯で落としにくい汚れは、セスキ炭酸ソーダで煮洗いすることをおすすめします。環境に優しく安全性の高いセスキ炭酸ソーダはとても使いやすく、重曹と同様に安心して使うことのできる洗濯アイテムなのです。
セスキ炭酸ソーダ・セスキを使った洗濯方法│効果・注意点も知ってナチュラルクリーニングデビュー!煮洗いの手順
- 大きめの鍋に水をたっぷりと入れる
- 鍋を火にかけて、ぬるめの温度になってきたら重曹、または粉石鹼を溶かす
溶けてきたら、煮洗いしたい洗濯物を鍋に入れ、菜箸やトングでかき混ぜる - 酸素系漂白剤を入れる場合はここで追加する
- 吹きこぼれないように注意して、弱火~中火で10分ほど煮る
(汚れがひどい場合は様子を見て15分ほどに詰めていってください) - 煮終わったら火を止めて、お湯が冷めるまでそのまま放置する
- お湯が冷めたら、洗濯物を洗面器やバケツ・桶などに取り出す
- 水やぬるま湯で汚れをよく揉み出す
(粉石鹸を使った場合は石鹸カスが残りやすいため、すすぎは丁寧に行うことをおすすめします)
すすぎを手で行った場合はそのまま干しても良いですが、再度洗濯機で洗濯することで、粉石鹸をキレイに落とすことができますよ。
ふきんを煮洗いするときに気をつけるポイントは?
通常の洗濯では落ちない頑固な汚れを落とすことのできる煮洗いですが、煮洗いを行う上でどのようなポイントに気を付ければ良いのでしょうか?今回は気を付けたいポイントを3つご紹介します。
高温に弱い素材は避ける
煮洗いを行うには、高温に弱い化学繊維などの素材は避けなければなりません。特に、ポリエステル・ナイロンなどは変色したり変形してしまったり、場合によっては溶けてしまうおそれがあります。煮洗いを行う際は、洗濯表記をしっかりと確認してから行うと安全です。
新しい洗濯表示(洗濯マーク)を確認して正しくお洗濯!変更のポイント・一覧・見方を解説色物・柄物は別々にして洗う
煮洗いしたい洗濯物が色物だった場合、色物同士を一緒に煮洗いしてしまうと色落ちを起こし、色移りの原因を招いてしまいます。そのため、色物は別々にして洗うことをおすすめします。
「普段、洗濯を行っても色落ちしないから、一緒に煮洗いをしても大丈夫では?」と考える方もいると思いますが、高温で煮ながら洗っていくと、思っている以上に染料などが溶けやすい状態になることがあります。
そのため、色落ちや色移りを防ぐためにも色物は別々にして洗いましょう。しかし、どうしても一緒に洗いたい場合は、色落ちチェックを行ったうえで洗濯してくださいね。
【分け洗い完全マニュアル】洗濯物を分別するメリット・デメリットを徹底解説!鍋の種類にも注意しよう
煮洗いを行うに適しているのは、ホーロー鍋やステンレス製の鍋です。酸に強く、洗剤を使ってもコーティングがはがれたり錆びついてたりすることも少ないため、煮洗いを行うのであればいずれかの鍋を選びましょう。
さきほどもご紹介した通り、鍋の種類によってはコーティングがはがれてしまったり色移りしてしまったりする場合があるため、煮洗いに適した鍋を選ぶことが大切です。近年では煮洗い専用の鍋も販売されており、料理に使っている鍋を煮洗いに使いたくない方は、煮洗い専用の鍋を使うことをおすすめします。
なお、アルミ製の鍋は傷つきやすく熱にも弱いため、変形の原因につながります。アルミ製の鍋での煮洗いは絶対に避けましょう。
ふきんを煮洗いすれば気になる臭いや黄ばみとさよならできる
いかがでしたか?今まで諦めていた黄ばみや頑固な油汚れも、煮洗いすれば解決されるかもしれません。少し手間はかかりますが、安全性が高く汚れ落ちも良いため、小さなお子さんのいるご家庭であれば、赤ちゃん用品などの煮洗いもおすすめです。
汚れがひどく捨ててしまおうと思っていた洗濯物がある方は、試しに煮洗いしてみてはいかがでしょうか?キレイに落ちる汚れに、爽快感を感じることができるかもしれませんよ!
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