昨年しまったニットを着ようとクローゼットから取り出したら虫食いが…!という経験はありませんか?虫食いにより着るのを諦めてしまったという方もいるかもしれませんが、実は、虫食いは自分で直すことができるのです。今回はニットやスーツなどの虫食いを直す方法、またプロに頼んだ場合の料金相場などもご紹介します。
目次
なぜ衣類は虫食いされるの?

大切な衣類を虫に食べられた…それは「衣類害虫」が原因です。「ヒメカツオブシムシ」「ヒメマルカツオブシムシ」「イガ」「コイガ」の4種類が衣類害虫にあたりますが、そもそも衣類害虫が発生しやすい環境とは、どういったものなのでしょうか。
衣類害虫は「温度」「湿度」「栄養」の3点が揃うと、活動が活発になります。それぞれを詳しく見ていきましょう。
温度
気温15~25℃が、衣類害虫にとって最も活発しやすい温度です。しかし、気温が30℃を超えてくると活動が鈍くなります。暑い夏場は活発には動きませんが、春先・秋口になると活発に動くというわけです。
湿度
衣類害虫は、湿度が60%以上のじめじめした場所を好みます。梅雨の時期は絶好の条件ですね。
栄養
衣類害虫の栄養源は、繊維や皮脂、食べこぼしなどのたんぱく質、ホコリなどです。特にホコリは大好物のひとつで、汚れたタンスやクローゼットの中は、衣類害虫にとっては天国のような場所なのです。

衣類の虫食いの補修方法

ニットの場合
ニットに虫食いができた場合は、編み目に沿って縫うとキレイに仕上がります。ニットの補修方法を詳しく確認していきましょう。
無地のニットでも柄物のニットでも同じ方法で補修することができます。柄物はたくさんの色の糸が必要に思えますが、柄が派手だと目の錯覚で小さな穴はほとんど気付きません。そのため、ひとつの色の糸で補修をしても問題ありませんよ。

スーツの場合

スーツに虫食いがおこった場合には、「かけはぎ(かけつぎ)」専門のプロに任せると良いでしょう。もし自宅でも直したいという場合は、以下の手順に従って「共布(ともぬの)」を裏から貼り付けてください。
詳しい方法はこちらの動画から確認することができるため、チェックしてみてください。


Tシャツの場合

Tシャツに虫食いがあった場合の補修方法です。Tシャツの場合はなみ縫いではなく、穴かがりという方法で補修します。


衣類の虫食いの補修はどこに頼んだら良いの?

虫食いの補修は、もちろん自分で処理できないものも出てきます。そんな時には、かけつぎ専門店へ依頼しましょう。
かけつぎ専門店へ頼もう
かけつぎって何?
かけつぎは、穴を埋める作業ではなく、衣類の裏から衣類本体の糸と残布の糸を一本ずつ繋いでいく作業のことです。
このかけつぎ専門店は店や担当者によって技術にかなり差があります。そのため口コミや評判を確認してから依頼することをおすすめしますが、自宅の近くにかけつぎ専門店がない場合は、クリーニング店などに確認してみてください。取り次ぎを行っているお店もありますよ。
料金の目安
料金は基本的に、衣類の素材や虫食いの場所、また虫食いの程度が関係してきます。特に、虫食いの補修範囲の大きさは料金を大きく左右するため、これからご紹介する料金は一つの目安として考えてみてください。
3ミリ以下の虫食い
虫食いの穴が小さく、よく見なければ穴が分からないという状況であれば、4000~5000円程度が相場です。
4~8ミリの虫食い
パッと見て少し目立つ虫食いは、5000円前後です。
9~15ミリの虫食い
誰が見ても目立ってしまう場合、1センチを超えた穴になってくると、7000円は見ておいたほうが良いでしょう。
16ミリ以上の虫食い
16ミリ以上を超える大きな虫食いの穴は、補修に1万円以上かかることが予想されます。
虫食いの穴を補修する場合、小さければ小さいほど料金は安く済みます。ただし料金はあくまで目安であるため、補修後に「こんなに高いとは思わなかった」とならないために、虫食いの補修をかけつぎ専門店に依頼する場合には、事前に必ず値段を確認しておくことが大切です。
何件かのお店で見積もりを出してもらえる場合は、複数の中から最も良い条件のお店を選ぶことができますね。
衣類を虫食いされないための対策
しまい洗いをしよう
衣類の虫食いを防ぐために「しまい洗い」をするようにしましょう。しまい洗いとは、季節の変わり目など衣類を長期間収納する前に、洗濯やクリーニングをして汚れをしっかり落としておくことです。
着用後に毎回洗濯しているとは言えど、衣類には目に見えない皮脂汚れや食べこぼしが多く残っているものです。これらは衣類害虫にとって大好物であり住みつきやすくなるため、しっかりしまい洗いをすることで、衣類害虫が発生する環境を防ぐことができます。
防虫剤を使用しよう
市販されている防虫剤を活用することも大切です。防虫剤には、衣類害虫を寄りつかないようにしたり、衣類害虫の食欲を減退させたりする効果があるため、衣類を虫食いから守ってくれます。


収納空間の空気を入れ替えよう
室内が高温多湿になりがちな春~夏は、こまめに換気をしましょう。クローゼットの扉を開けっぱなしにしておくのも良いですし、扇風機をまわしてクローゼットの中の空気を循環させることも大切です。
虫食いされた衣類は補修して直そう
大切な衣類が虫食いを起こしていたとなると、悲しい気持ちになりますよね。ただ、小さな虫食いであれば自分で補修することができるのため、ぜひ試してみてください。思ったよりも短時間で簡単にできると思いますよ。
しかし、中には自分では補修が難しい虫食いもあり、無理をして補修すると傷が大きくなったり、目立ったりすることがあります。その場合は諦めて買い替えるか、かけつぎ専門店への依頼を検討しましょう。また、防虫対策をすることである程度の虫食いは防ぐことができるため、季節の変わり目は特に意識しておきましょう。

