服にハリを出してくれる洗濯のりですが、実際に使用したことはありますか?洗濯のりはドラッグストアや通販などで気軽に買え、簡単な手順で使用することができます。今回はそんな洗濯のりについて、成分から使い方、おすすめ商品までをご紹介していきます。
目次
洗濯のりとは?その効果と成分や種類を知ろう
ワイシャツなどをパリッとさせるというイメージのある洗濯のりですが、その効果や成分についてはあまり知られていないのではないでしょうか。洗濯のりを使う前に、まずはその謎を解明していきましょう。
洗濯のりの効果って何?
服がパリッと仕上がりコシも出る
洗濯のりの一番の効果とも言えるのが、服にハリとコシを与えることです。よく使われるのはシャツ類ですが、のりの利いたワイシャツを着ているだけで、仕事ができそうに見えてしまうから不思議なものです。清潔感を与えることができますし、几帳面な印象にもなります。
のり付けした衣類は保管している間も型崩れしにくいので、型崩れ防止として使用することもできます。また、保管期間が長い浴衣などにも最適です。
アイロンがけでシワがよく伸びる
のり付けしたシャツはアイロンがけもしやすくなります。干している段階でシワがよく伸びますし、アイロンがけのときも滑りが良くシワを伸ばしやすくなっています。
また、シワになりやすい素材の場合は、スプレータイプの洗濯のりを吹きかけながらアイロンがけをすると、シワが伸びてパリッと仕上がります。
汚れが服にごびりつかなくなる
意外と知られていないのが、衣類をコーティングしてくれる効果です。袖口や襟元は汗や皮脂が付きやすく、放置しておくと衣類の黄ばみにつながります。しかし、衣類をのり付けしておけば、汚れはのりに付くので、通常の洗濯で簡単に洗い流すことができるようになります。衣類の繊維をのりがコーティングして、汚れが奥まで入り込むのを防いでくれるのです。
洗濯のりは「天然のり」と「化学のり」の2種類
洗濯のりの成分は、天然のものと化学的なものの2種類に分かれます。このふたつがどのように違うのか、詳しく見てみましょう。
天然のり
天然のりは昔からずっと使われてきたもので、昔は洗濯のりといえば、天然のりしかありませんでした。成分は主にでんぷんで、化学成分が入っていないので肌にも環境にも優しいというメリットがあります。
また、作り方も簡単なため、昔は自作している家庭も多くありました。天然成分なので安心して使うことができますが、その反面、変色や虫食いのおそれがあるともいわれています。でんぷんの分量が多いものや、自作した洗濯のりは注意が必要です。
化学のり
技術が発達するとともに、洗濯のりは天然のでんぷんだけでなく、化学物質でも作ることができるようになりました。現在では、天然のりよりも化学のりの方が主流になっています。
化学のりは、ハリやコシに特化したもの、シワ防止に特化したもの、衣類のコーティング力に優れたものなど、欲しい効果に合わせた細かな調整を可能にしました。また、虫食いの心配もありません。
化学のりは、さらに「合成のり」と「半合成のり」の2つに分かれていますので、簡単にご紹介します。
- 合成のり
- 半合成のり
ポリ酢酸ビニル(PVAc):洗濯機で使用できるため、シーツなどの大きなものでものり付けできます。また、柔軟剤との併用も可能です。ただ、のり落ちが悪い場合もあるのが難点です。
ポリビニルアルコール(PVA) :ポリ酢酸ビニル(PVAc)ととてもよく似ていますが、こちらはシワ予防に特化した洗濯のりです。
耐熱性ポリマー:スプレータイプの洗濯のりに使用され、アイロンがけのときに活躍します。
加工でんぷん:でんぷんを化学処理した洗濯のりです。スプレータイプの洗濯のりに使われています。
カルボキシメチルセルロース(CMC):化学のりの中では比較的安全な洗濯のりです。ただ、色柄物に使用するとムラになってしまうので、無地のものに使用しましょう。
洗濯のりは「ボトルタイプ」と「スプレータイプ」の2タイプ
洗濯のりは、液体やジェルがボトルに入ったいわゆるボトルタイプと、霧吹きとして使用するスプレータイプが販売されています。それぞれ使用するタイミングや目的が異なりますので、ご紹介いたします。
- ボトルタイプ
- スプレータイプ
洗濯のりで1番メジャーなタイプですが、ボトル容器だけでなく袋タイプもほぼ同じものです。スプレータイプ以外のものはボトルタイプと思っておいても良いでしょう。このタイプは洗濯機に直接投入できますし、洗濯物を手洗いするときも使用可能です。面積の広いものをのり付けするときは、このタイプがベストです。
スプレータイプの洗濯のりは、主に部分使いしたいときに使用します。ワイシャツの襟だけ、スカートのプリーツを整えたいときなど、一部分だけにハリが欲しい場合に最適です。また、シリコンや耐熱ポリマーなどの成分が含まれていないので、アイロンがけしても焦げる心配が少ないのもメリットのひとつです。
これらのことから、スプレータイプは初心者でも扱いやすい洗濯のりと言えるでしょう。
洗濯のりの使い方
それでは実際に、洗濯のりはどのように使用するのか、正しい使い方を見てみましょう。
洗濯機で洗濯のりを使用する場合
はじめに、洗濯機の種類によっては洗濯のりを投入できないものもありますので、お使いの洗濯機が洗濯のりに対応しているかを確認してください。また、取扱説明書に洗濯のりの投入方法の記載がある場合は、その方法に従ってください。
手洗いで洗濯のりを使用する場合
デリケートな素材のものを洗うときや、一部の衣類だけのり付けしたいときは、洗濯機を使わず手洗いしましょう。洗面器があれば簡単にのり付けができますので、ご紹介いたします。
なお、すすぎ過ぎるとせっかく付けた洗濯のりを洗い流してしまうおそれがあるので、軽くすすぐことが重要です。
スプレータイプの使い方
スプレータイプの洗濯のりは、部分使い向けにできています。洗濯機洗いや手洗いのときのように、広い範囲には適していませんので注意してください。また、アイロンがけとの相性がとても良いので、シワをよく伸ばしたいときに使用するのもいいでしょう。
柔軟剤との合わせ技
ボトルタイプの洗濯のりは、柔軟剤とあわせて使用することができます。柔軟剤を使用すると香り付けができ、また衣類にハリを与えつつ柔らかな感触を残すこともできますので、かっちりしすぎず絶妙な肌触りになります。手順は洗濯機洗いのときと同様で、すすぎの後、脱水の前に洗濯のりと一緒に柔軟剤を投入します。
注意したいのが柔軟剤の分量で、衣類1枚につき2ml程度が適切です。3mlにするとよりしなやかになります。少量でしっかりと効果が出ますので、多く入れ過ぎないように気を付けてください。洗濯機洗いの場合、洗濯機に柔軟剤投入口があれば利用することをおすすめします。
【2024年最新】柔軟剤をランキング比較!おすすめのいい匂い・人気の香り50選 多すぎる洗濯洗剤が招くトラブルとは?デメリットと適量を入れるコツをご紹介洗濯のりは家にあるもので代用できる
洗濯のりを常備していないご家庭が多いかもしれませんが、急に衣類ののり付けが必要になった場合は、家にあるもので代用しましょう。天然のりは、ご家庭でも簡単に作ることが可能なのです。
お米で代用
先ほどにご説明したように、天然のりはでんぷんからできています。でんぷんと聞いて思い出すのが、どこのご家庭にもあるお米ではないでしょうか。お米のでんぷんからも、洗濯のりの代用品を作ることができますよ。
なお、即席の洗濯のりであるため、長期保管には向いていないので注意してください。カビや変色のおそれがあります。
片栗粉で代用
片栗粉を用いれば、ちょっと本格的な洗濯のりを作ることができます。片栗粉がなければコーンスターチでも結構です。
これで洗濯のりの完成ですので、市販のボトルタイプの洗濯のりと同じように使用してみてください。ただ、こちらも天然のりですので、長期保管には向いていないので必要な分量だけ作るようにしましょう。
洗濯のりを使用する時の注意点
洗濯のりのつけすぎはNG
パリッとさせたいからといって、必要以上に洗濯のりを使用してしまうと、バリバリになってしまうことがあります。衣類の柔らかさを失ってしまいますので、分量は必ず守るようにしてください。もし付けすぎてしまった場合は、もう一度洗濯すれば落とすことができます。
洗濯のりを使用した衣服には乾燥機を使わない
洗濯のりを使用した衣類を乾燥させるときは、ハンガーに吊るして自然乾燥させてください。乾燥機に入れてしまうとフィルターの目詰まりなどを起こし、故障の原因になります。のり付けした衣類は自然乾燥を徹底しましょう。
洗濯のりは、柔軟剤の投入口からは絶対に入れない
洗濯機に洗濯のりを投入するとき、洗剤や柔軟剤の投入口から入れるのはNGです。乾いたときに、投入口がのりで固まってしまいます。柔軟剤と合わせる時も、柔軟剤は専用の投入口から、洗濯のりは直接衣類を浸している水に入れましょう。
【必見】洗濯機の投入口に洗剤と柔軟剤を間違えて入れてしまった時の対処方法 洗濯機に洗剤を入れる場所はどこ?洗剤・柔軟剤の正しい投入口を解説洗濯のりを使用後は洗濯層の洗浄をする
洗濯機で洗濯のりを使用した後は、のりが洗濯層に残っている状態です。このまま次の洗濯をすると、多少なりとものりが移りますで、一度洗濯層を掃除しましょう。衣類を入れずに洗濯機を回すだけで簡単に掃除ができますので、忘れずに行いましょう。
おすすめ洗濯のり8選!
【カネヨ】 コンク スタンドパック170G
こちらは粉タイプの洗濯のりで、水に溶かして硬さが調節できるようになっています。水に素早く溶け、好みの硬さにすることができるため、衣類の素材や用途に合わせてオリジナルの洗濯のりが作れます。ただし、昔ながらの洗濯のりですので、天然成分でできており、環境には優しいですが長期保存には向きません。
せんたく糊 ハイクリーチ 750ml
こちらの洗濯のりは、一度叩いてから干すことでシワをできにくくしますので、シワをつけたくない衣類に最適です。また、洗濯のりの量を調整すれば、衣類のハリを自由に変えることが可能です。大容量ですのでたっぷりと使用することができまです。
洗たく機用 キーピング 本体 600ml
キーピングは洗濯のりの中でもかなりメジャーで、昔から愛されている商品です。こちらはボトルタイプの洗濯のりですので、一度にたくさんの衣類をのり付けできます。
ロングヒットとなっているだけあり、衣類のハリとコシの出方には定評があります。また、香りも洗濯のり独特のものではなく、優しいラベンダーとなっているので、使用しやすい商品です。しっかりとのり付けできるので、洗濯層の掃除は念入りに行うようにしてください。
アイロン用キーピング 衣料用のり剤 ハンディスプレー 400ml
こちらはキーピングのスプレータイプの洗濯のりです。袖口や襟元など、部分使いに最適な洗濯のりです。特にアイロンがけとの相性が良いので、アイロンをしっかりとかけて仕上げたい衣類に使用してみてください。アイロンがけの仕方次第で、仕上がりを調節することができます。
スプレータイプは、ボトルタイプと比べると衣類へのハリは少し弱くなりますが、その分、かっちりしすぎないというメリットがあります。ただし、アイロンとの相性がいいからと高温で使用を続けると、黄ばみの原因になりますので注意してください。
【フェーベル】 エクセル仕上げ剤 1200ml
1200mlの大容量で、思う存分たっぷりと使用できる、コスパ抜群の商品です。のり付けした衣類を洗濯すれば簡単にのりを落とすことができますので、ムラもできにくく衛生的です。特にジャケットやニット、ジーンズなどの素材に向いている洗濯のりです。
ドライクリーニング用の洗剤と合わせれば、クリーニングに出さなければいけなかった洋服も自宅で洗うことができます。
【ジョンソン】 カンターチ
こちらの洗濯のりは噴射力が魅力的です。最ものり付けする頻度が高いであろうワイシャツには、こちらがナンバーワンだと評判のアイテムでもあります。少々値段は張りますが、液だれしないなどメリットが豊富にある商品です。
スプレー洗濯のり タフターチ
こちらもスプレータイプの洗濯のりです。特に柄物に効果的なので、着物やおしゃれ着ブラウスなどにも使用できます。硬さの調節も楽なので、TPOに合わせて使用できます。
【ザ・ランドレス】 スティフィンアップ クラシック
最後は素敵な香りがする洗濯のりのご紹介です。「ザ・ランドレス」は、「衣類は自分でケアする」ということをコンセプトにしているので、クリーニングに出さずに済むように考えられています。
また、ランドレスは、人工香料ではなく精油を使用しています。代表的な「classic」の香りは、スイートムスクやイランイラン、パチョリの、甘く濃厚で重厚感がある香りのなかに、さわかやなシトラスが絶妙にブレンドされているため、普通の洗剤や柔軟剤では味わえない香りを楽しめます。
値段が高めなのがネックではありますが、その値段だけの価値があるスプレータイプの洗濯のりです。
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「洗濯のりは知っているけれど、今まで使ったことがない!」という方のために、洗濯のりのイロハをご紹介いたしました。使い方は案外簡単ですし、メリットも豊富にありますので、ぜひ一度、試してみてはいかがでしょうか。おすすめの洗濯のりは評価が高いものばかりなので、初心者の方でも気軽に使用することができます。ぜひ参考にしてみてください。
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