アウターとして有名な「ゴアテックス」。撥水性が高く、雨の日の普段使いでも重宝しますよね。今回は、ゴアテックスの洗濯方法について説明します。洗濯方法や使用する洗剤、乾燥の仕方、またクリーニングに出す際の注意点も合わせてご紹介します。
目次
ゴアテックス(GORETEX)とは
ゴアテックス(GORE-TEX)とは、WLゴア&アソシエイツ社で作られている防水透湿性素材の名称のことです。ゴアテックスはとても有名なものであることから、一つのブランドと思いがちですが、実は衣類の素材の名前なのです。
ゴアテックスはアウトドアで重宝することはもちろんのこと、普段使いでも便利です。また長持ちしますし、10年使っても問題なく着ることができるほどです。
ノースフェイスやモンベルなどのアウトドアウェアに使用されている素材
ノースフェイスやモンベルなど、有名なアウトドアブランドがアウトドアウェアにゴアテックスを用いています。梅雨の時期や急な悪天候の際にアウトドアをより快適に楽しめるよう素材選びにこだわっているのがポイントです。
同じゴアテックスを使用したアウトドアウェアによって着心地やデザインなども異なるため、気になる方はノースフェイスやモンベルなどのアウトドアウェアを一度チェックしてみましょう。
ゴアテックスの特徴
ゴアテックスは特徴は主に3つあり、「雨を通さない」「水蒸気(汗)は外に出る」「蒸れない」というものです。要するに「水は通さないが通気性がある」ということです。
雨を通さないものに、レインコート(カッパ)がありますが、実際にレインコートを着用したら分かるように、確かに塗れることはありませんがレインコートの中が蒸れてしまって汗をかいたように湿っているということがありますよね。ゴアテックスは、そのような状況になりません。雨を通さず、内部もさわやかな状態に保つことができるものなのです。
ゴアテックスの洗濯の頻度
ゴアテックスは、汚れたらその都度洗うようにしましょう。汚れが目立たない状態だとしても、定期的に洗うことが大切です。「洗濯すると撥水効果が落ちるのでは」と心配するかもしれませんが、実は洗濯することは、撥水性の維持、回復に役立つのです。
ただし、使うたびに洗っていいものではありません。ゴアテックスに施されている撥水加工は、摩擦のたびに剥がれてしまいます。使用するたびに洗っていると、撥水加工が剥がれやすくなってしまうこともあるので、汚れたら洗うようにするぐらいでいいでしょう。
ゴアテックス(GORETEX)を洗濯しないとどんな問題が起きるのか
ゴアテックスのアウトドアウェアを洗濯せずにそのまま放置し続けていると、さまざまな問題が起きます。少しでも長くお気に入りのアウトドアウェアを着続けたいなら、普段からの手入れが大切です。
ここでは、ゴアテックスを洗濯しないと一体どのような問題が起きるかについて説明していきます。
撥水性が無くなって蒸れやすくなる
泥や皮脂などの汚れがゴアテックスについたままだと、撥水性が無くなってしまい、ゴアテックスに水が染み込みます。
その結果、水分による膜ができ、ゴアテックスの孔を塞いでしまいます。ゴアテックスの孔が塞がっていると、風通しが悪くなるため、蒸れやすいです。
アウトドアウェアの着心地を良くするためにも、ゴアテックスの撥水性をいかに保つかが重要になってきます。
シームテープが劣化してしまう
ゴアテックスのアウトドアウェアを汚れたままにしておくと、生地が酸化し、汚れが落ちにくくなります。そのため、何度も洗濯する必要が出てくるため、生地の劣化を早めてしまうことも。
また、縫い目の防水処理を行っているシームテープも泥や皮脂、汗に含まれている水分によって加水分解が起きてしまいます。加水分解とは、水や湿気によって生じる分解反応のことです。放置した結果、シームテープが剥がれてしまい、買い替える必要が出てきます。
ゴアテックス(GORETEX)の洗濯方法・洗い方
ゴアテックスのアウトドアウェアを長期間にわたって使い続けるためには、洗濯方法について知っておくことが大切です。
洗濯方法によっては、想像以上に早く買い替える必要も。
お気に入りの一着を少しでも長く着たい方のために、ゴアテックスの洗濯方法について解説します。
洗濯する前の注意点
- 洗濯機で洗うことができるか確認する
- 専用の洗剤を用意する
- ファスナーを全て閉じる
- ひどい汚れはあらかじめ落とす
まずは、手持ちのゴアックスは洗濯機で洗えるかどうか、手洗いのみなのか、洗濯絵表示のタグを確認してください。乾燥機が使用できるものであれば、使用をおすすめします。
ゴアテックスを洗うためには、液体の洗剤を用意しましょう。使用する洗剤は、できるだけ混ざりものがないものを選ぶようにします。私たちが普段使用している洗剤は、少量の柔軟剤や芳香剤、漂白剤が含まれている合成洗剤がほとんどです。
それらはウェアに残ることで効果を発揮するため、ゴアテックスには不向きです。ゴアテックスのウェアを洗濯する場合には、ゴアテックス専用洗剤、無添加洗剤、合成洗剤(柔軟剤、漂白剤、蛍光剤が含まれていないもの)を使用します。
また、石鹸は化学反応を起こし新たな汚れを形成する可能性があるため、使用を止めましょう。
ファスナーやベルクロといったものは洗濯前に全て閉じるようにしてください。開けていることで衣類に余計な負荷をかけることとなり、破損したり、生地を傷つける恐れがあります。また、コードも全て緩めておきましょう。汚れ落ちのムラ、洗濯汚れの残留を防ぐためです。
ウェアにひどい汚れ、がんこな汚れがついている場合には、洗濯する前にあらかじめぬるま湯で洗い流しておきましょう。洗剤は液体洗剤を使用し、集中的に落とします。染みがついているからといっても、染みぬき剤の使用はできませんので注意してください。
洗濯機で洗濯する
手洗いで洗濯する
ゴアテックス(GORETEX)を洗濯した後の乾燥の仕方
「すすいだ後の脱水は?」と思われるかもしれませんが、ゴアックスは水を通さないため脱水は省いても問題ありません。では、干し方やアイロン方法をみていきましょう。
干し方
よくすすいだウェアの水を軽く切り、風通しのよい日陰で干し、しっかり乾かしましょう。ゴアテックスはすぐに乾くものではないので、時間をかけて細部までしっかり乾かすようにしてください。
また、直射日光に当たる場所で干すと紫外線のダメージが残ってしまうので、必ず陰干しするようにしましょう。
脱水はNG!
ゴアテックスは撥水性に優れていて水を通しにくいため、脱水によって洗濯機に大きな遠心力がかかってしまいます。
その結果、洗濯機が故障してしまう恐れがあるので、ゴアテックスの脱水は避けましょう。
乾燥機を使用する
衣類を乾燥させるために、乾燥機を使用することが多いと思いますが、ゴアテックスの場合には陰干しでしっかり乾いた状態で乾燥機を使用します。
これは乾燥させるためではなく、ゴアテックスに熱処理を施すためです。熱処理はゴアテックスの撥水効果を保つために行うものであり、乾いたウェアを20分ほど乾燥機に入れて熱処理を行うようにしましょう。
アイロンの仕方
乾燥機での熱処理ができない場合には、乾燥したウェアに当て布をしてゴアックスにアイロンをかけます。
アイロンの温度は低温に設定します。乾いた後に温めることによって、生地の撥水性が回復します。
アイロンの温度は素材に合わせて!便利なアイロンがけアイテムもご紹介撥水加工する
アイロンをかけた後でも撥水性が低くなってきた、と感じた場合には撥水スプレーを使用します。撥水加工は摩擦によって剥がれてしまうため、何度も洗濯をすると自然と剥がれてしまうのです。
撥水加工をするためには、撥水スプレーをウェア全体に薄く吹きかけましょう。スプレーした後乾燥させるということを4~5回繰り返しましょう。
洗濯したゴアテックス(GORETEX)を長期間保存する方法
ゴアテックスを洗濯してキレイにしたとしても、保存の仕方によってはすぐに傷んでしまう可能性があります。
買い替えの頻度を少しでも減らすためにも、ゴアテックスを長期間保存する方法を身に付けておくことが大切です。ゴアテックスのウェア長期間保存する方法をいくつか紹介します。
湿気を避ける
湿気のある場所にゴアテックスを保存していると、カビが発生する恐れがあるので、風通しの良い場所で保存することが大事。
クローゼットのような湿気が溜まりやすい場所で保存する際は、除湿剤を入れてカビが発生するリスクを減らしましょう。
直射日光を避ける
直射日光を当ててしまうと、紫外線や熱によりゴアテックスが劣化します。
ゴアテックスは紫外線に弱い素材のため、直射日光が当たらない場所で保存する必要があります。
スタッフバッグに入れたままにしない
ゴアテックスのアウトドアウェアを折り畳んでスタッフバッグに入れたままにしておくと、折り目がついてゴアテックスにダメージを与えてしまいます。
長期間保存するためにも、スタッフバッグから取り出し、風通しの良い場所で保存しましょう。
防水スプレーをかける
ゴアテックスのアウトドアウェアを着続けていると、傷や摩擦などによって撥水加工が落ちてしまいます。
少しでも長く着続けたいなら、防水スプレーをゴアテックスのアウトドアウェアにかけ、撥水性を保つことも大切です。
リペアキットで補修
ゴアテックスに小さな破れや傷ができた際、リペアキットを使って補修することができます。
ゴアテックスを補修するためのリペアキットは、アウトドアショップなどで販売されています。破損状態が酷い場合、買い替えを検討しましょう。
ゴアテックス(GORETEX)の洗濯におすすめの洗剤5選
ゴアテックスのアウトドアウェアを洗濯する際、どのような洗剤を使うかが重要です。洗剤によっては、かえってゴアテックスが劣化してしまう可能性も。ゴアテックス素材におすすめの洗剤を5つ紹介します。
【ファイントラック】オールウォッシュ
「撥水」「吸汗」といった機能を損なうことなく、汚れを落とすことだけに特化した洗濯洗剤です。柔軟剤、漂白剤、香料といった余分な成分を一切含んでいないので、ゴアテックスにも最適です。
長く期続けたい高機能なアウトドアウェアにこそ、おすすめの”オールウィッシュ”です。ただし、ダウン製品には使用できません。
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【モンベル】O.D.メンテナンス ベースクリーナー
ゴアテックスやドライテックといった防水透湿性のウェアやギアにも最適な洗剤です。
本来の性能を損なうことなく、汗や皮脂といった汚れをしっかりと落とすことができます。
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【ニクワックス】 テックウォッシュ
こちらは、人体に影響を与える石油系溶剤が含まれていないのに加え、洗剤カスを残しません。撥水性を持続させてくれます。
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【グランジャーズ】 パフォーマンスウォッシュ
『グランジャーズ』の“パフォーマンスウォッシュ”は、洗濯機に直接入れるタイプの洗剤。香料が含まれていないので、洗濯後の臭いが気になる方におすすめです。
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【リバイベックス】 プロクリーナー
『リバイベックス』の“プロクリーナー”は、通常の家庭用洗剤に比べ、すすぎをした後に洗剤の成分が残りにくいのが特徴的。撥水性を保つのにも適した洗剤です。約20枚分のジャケットが洗えます。
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洗濯後のゴアテックス(GORETEX)におすすめの撥水剤5選
ゴアテックスを長持ちさせるためには、撥水性にも目を向けたいところ。撥水性を保つのに役立つのが撥水剤です。ここでは、ゴアテックスに使いたいおすすめの撥水剤5選を紹介します。
【モンベル】S.R.スプレー330mL
『モンベル』の“S.R.スプレー330mL”は、水や油を弾く撥水剤。残ガス排出機構も付いているため、容器の処分が行いやすいです。
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【ニクワックス】 TX.ダイレクトWASH-IN
『ニクワックス』の“TX.ダイレクトWASH-IN”は、TX.10iと呼ばれる伸縮性に優れた撥水成分を配合した撥水剤。TX.10iが繊維の1本1本に絡みつき、ゴアテックスの撥水性を保ってくれます。
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【TOKO】 テクスタイルプルーフ
『TOKO』の“テクスタイルプルーフ”は、ゴアテックスをはじめ、数多くの生地に使える撥水剤。撥水性だけでなく、防汚性もあるので、泥などの汚れ対策にも役立ちます。
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【ボアード】VITAL PRO SIZE MIST WR
アウトドアウェアや傘、靴など、さまざまな製品に使える撥水剤。元々はヨットなどのセイルクロス専用の撥水剤として開発されたため、塩水などに対しても効果を発揮します。高圧洗浄を行わない限り、成分が流れ出ないのもポイントです。
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【ホルメンコール】ハイテクプルーフ
『ホルメンコール』の“ハイテクプルーフ”は、ナノテクノロジーを用いた撥水剤。蓮の葉が水を弾く原理を応用し、ゴアテックスの撥水性を保ってくれます。
水だけでなく、泥や油などの汚れも防ぎ、ゴアテックスをキレイな状態に保ってくれるのもポイントです。
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ゴアテックス(GORETEX)はクリーニングに出すことは可能?
ゴアテックスのウェアは、家庭で洗濯することを基本としています。クリーニング店を利用することもできますが、その際には「すすぎにきれいな溶剤を使用してほしい」ということを伝えておきましょう。
また、クリーニング店では撥水加工まで行ってくれませんので、ウェアが帰ってきた後は撥水加工を行うようにしてください。
ゴアテックス(GORETEX)を正しい方法でキレイに洗濯しよう
他の衣類に比べると高価ではありますが、長く使用できるゴアテックスは重宝しますよね。雨の日にもとても便利です。しかし、長く使うほどウェアに汚れが溜まりますし、洗濯が必要となってきます。
ゴアテックスは洗濯しても、一度や二度では撥水効果が弱まりません。何度も洗濯をしたり、3年~5年と長く着ると少しずつ撥水効果も弱まってきますので、洗濯した後にアイロンを当てる、撥水スプレーをするといったお手入れも忘れずに行ってくださいね。