ニットをハンガーにかけると、ハンガー跡がついたり伸びたりと、型崩れに悩まされていませんか?ニットは通常の衣類とは異なり、専用のかけ方が必要で、さらにハンガーも専用のものを使用することが重要なのです。今回はニットの正しいハンガーへのかけ方、おすすめのニット用ハンガーなどをご紹介します。
目次
伸びない&ハンガー跡をつけないニットのかけ方がある!
ニットを通常の衣類と同じようにハンガーにかけるとハンガー跡がついたり、伸びて型崩れさせてしまったりすることがあります。
しかし次のようなニット専用のかけ方をすれば、ニットを傷めにくいので、ぜひ覚えておきましょう。
ハンガーにかけるときもたたむのが基本
ニットは通常の衣類のかけ方のように、肩幅に合わせてハンガーにかけるのではなく、ハンガーにかけるときもたたんでかけることがおすすめです。少し特殊なかけ方なので、これを機に覚えてみましょう。
ニットを傷めずにハンガーにかけるかけ方
- ニットを平置きし、前身頃でも後ろ身頃どちらからでも良いので縦半分にたたみましょう。
- たたんで合わさったニットの脇部分に、逆さまにしたハンガーのフックの根元がくるように置いてください。
- ハンガーのアームに向かって、胴部分と腕部分をたたみ込みましょう。お互いがクロスし巻きつく形となります。
- 下を向いていたハンガーのフックを上に持ち上げると、ちょうど良いバランスでニットがハンガーにかかり、ハンガー跡もつきにくく型崩れ知らずのかけ方となるでしょう。
ハンガーにアイテムをプラスして肩部分を補強
ニット用のかけ方をしても、ニット専用のハンガーを使用しないとうまくかけられなかったり、ハンガー跡がついてしまったりすることがあります。
そんなときは、ハンガーのアーム部分にトイレットペーパーの芯をプラスして、厚みを補強してみましょう。
トイレットペーパーでハンガーを補強する方法
- 使い終わったトイレットペーパーの芯を、2個用意します。
- 縦に切り込みを入れてください。
- 切り込み部分をハンガーのアームに通すと、肩の厚みを出すことが可能です。
この方法なら薄い針金ハンガーでも厚みを出すことができ、ポッコリとしたハンガー跡がつきにくくなります。さらに滑り止めの効果もあり、ニットのずり落ちが減りますよ。
ニットをかけるときはハンガーの選び方が重要
ニットをハンガーにかけるなら、専用のハンガーを購入しておくことも検討してみましょう。やはり市販のものは性能は良く、いくつか持っておけば大切なニットを傷めずかけることができ安心です。
選ぶときは次のようなことに注意してください。
肩部分に厚みがあるものを選ぶ
針金ハンガーのような細く薄いタイプのハンガーは、重さがその細い面積に集中してしまうためハンガー跡の原因となります。さらにニットは重いので、重力で下に伸びやすくなるのです。
それを防ぐためには、ある程度厚みのあるハンガーを選びましょう。特に肩部分に厚みがあるものは、型崩れを防ぎます。
肩部分が緩やかな曲線になっている
ハンガーの形が二等辺三角形でなく、肩部分が緩やかに下に下がるよう曲線を描いているタイプのものは、ハンガーのポッコリ跡がつきません。
人体の方の形に近づけていて、よりニットの形にフィットし通常のかけ方をしても型崩れしにくくなっています。
ジャストサイズになるよう肩幅が調整できる
ハンガーにうまくかけられなかったり、型崩れを起こしたりしているときは、ハンガーのサイズが合っていないのかもしれません。ハンガーにもサイズがあり、子供用、女性用、男性用などでも大きさが異なりますし、さらにその中でもS・M・Lと細かく分かれているものもあります。
肩幅がジャストサイズでないと衣類に負担をかけてしまいますので、ニットのサイズとハンガーのサイズがぴったりのものを選ぶようにしましょう。
衣類のサイズとハンガーのサイズの目安
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- 衣類のサイズ
ハンガーの横幅
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- レディースS
38cm
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- レディースM・メンズS
38~42cm
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- レディースL・メンズM
42~45cm
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- メンズL
47cm~
滑り止めがついている
ハンガーの性能の高さが出るのが、滑り止めの有無です。ツルツルのハンガーは、肌触りは良いですがかかっている衣類も滑ってしまい、しっかりかけてもいつの間にかずり落ちていることがあります。
それを防いでくれるのが滑り止めで、ラバー素材や特殊加工が施され生地と摩擦を起こししっかりとホールドします。ニットは特に滑りやすい素材なので、滑り止めがないとうまくかけられません。
ニットにおすすめ!ハンガー跡がつきにくいハンガー4選
ニットに跡をつけたり型崩れしたりすることなくかけられる、ニットに適したハンガーを5選ご紹介します。
【ニトリ】すべりにくいアーチ型ハンガー
出典:ニトリ
- メーカー公式通販サイト販売価格:304円(税込)
- 本数:3本組
- サイズ:幅42.5×奥行1.3×高さ21.5cm
- 材質:スチール、塩化ビニル樹脂
お値段以上の『ニトリ』ではハンガーの種類も豊富ですが、そのなかでもアーチ型ハンガーがおすすめです。薄型ですが見た目以上に丈夫なスチールでできていて、少し重さのあるニットをかけても問題ありません。
さらに塩化ビニル樹脂で加工してあるので、ニットを滑らないようホールドします。肩にハンガー跡がつかない構造なので、型崩れなく使用できるでしょう。
【MAWA】すべり落ちないマワハンガー 人体ハンガー 10本組
- 本数:10本組
- サイズ:幅40×奥行1×高さ22cm
- 材質:特殊塩化ビニルコーティング加工スチール、ニッケルメッキ加工スチール
『MAWA』はドイツのハンガーメーカーで、高品質かつデザイン性が高いことから世界中で愛されています。大きな特徴といえるのがノンスリップコーティングという特殊加工で、滑りやすい素材の衣類でもしっかりとホールドし、ハンガーからずり落ちるストレスから解放されますよ。
さらに肩の曲線を人体に近づけてあり、通常のハンガーよりも衣類に馴染むでしょう。収納もしやすいですし、おしゃれなデザインなので思わずMAWAハンガーで統一したくなります。
【レック】らくらく 速乾 ニット対応ハンガー
- 本数:2本組
- サイズ:幅40×奥行3.5×高さ23cm
- 材質:ポリプロピレン
『レック』のハンガーは商品名の通り、ニットのために考えられています。肩の部分は丸みのある太いアームとなっているので、重さが分散し負荷がかかりにくく、ハンガー跡がつきにくいでしょう。
さらにすごいところは、アームがスライドするので大きさの異なるニットにもジャストサイズに合わせることが可能です。そのため子供、女性、男性でも共通で使用しやすく、家族向けにもおすすめでしょう。
また、アームに穴が開いているので通気性が良く、洗濯物を干しても乾きやすいのが嬉しいですね。
【東京ハンガー】スーツハンガー
- 本数:4本組
- サイズ:幅40.5×奥行6×高さ×24.8cm
- 材質:ポリプロピレン
昭和の時代に誕生した『東京ハンガー』は、高品質なハンガーを制作している日本のメーカーです。一見スタンダードなデザインですが、培われた技術を駆使し、細部にこだわりを感じる構造になっています。
肩に厚みがあるので重さに耐えやすく、跡もつきにくいですよ。さらにパンツをかけるアームがあるなど、スーツやコートもかけられる仕様となっているので、ニット以外にも使いやすいのが嬉しいですね。
ニットのハンガー跡の直し方
ニットにハンガー跡をつけてしまっても、ニットの繊維を柔らかくし、形を整えることで元通りに戻すことが可能です。慌てず次の手順を試してみましょう。
スチームアイロンを使う方法
用意するのはスチームアイロンだけで、簡単に直すことが可能です。
- ニットを平置きし、ハンガー跡部分にスチームアイロンを少し浮かせた状態で当てます。そして中温程度に設定したスチームをたっぷり浴びせましょう。
- ニットが湿ったら、ハンガー跡にスチームアイロンを軽く乗せ整えます。デリケートな素材の場合はアイロンをかけず、手で優しく叩いたり伸ばしたりしてください。
- ハンガー跡が直るまで、スチームを当てては整えるという作業を繰り返しましょう。だいたい2、3分できれいにすることができます。
霧吹きとドライヤーで代用可能
スチームアイロンがない場合、霧吹きとドライヤーでも代用できます。霧吹きに水を入れ、ハンガー跡に吹きかけます。そこにドライヤーを当てて温めると、スチームと同じ効果が得られるので後は手で形を整えていきましょう。
ニットは“かけない”という選択肢もあり
ニットはウールやカシミア、アクリルなどの素材からできた糸で編まれた製品で、素材によって取り扱い方が異なります。しかし、共通して言えるのが伸び縮みしやすいので、型崩れしやすいということです。
その特徴のせいでハンガーとの相性は良くないため、ハンガーを使用せずに保管や収納をするという方法をご紹介します。
ニットとハンガーの相性が悪い理由
肩に負担がかかりハンガーの跡がついてしまう
ニットは重さがある衣類になることが多く、ハンガーにかけるとどうしても肩に負担が集まります。すると肩だけが引っ張られてしまうので、ハンガーのポッコリ跡が目立ってしまうのです。
特に洗濯後は水分を含んで重さが増しているため、ニットを干すときにハンガーを使うとかなりの確率でハンガー跡が残るでしょう。
ループ構造の編み物は伸びやすい
本来ニットを作るときに使用される毛糸には縮性がないのですが、輪を繋ぐようにして編むループ構造が伸縮性を生んでしまいます。そのためニットは他の衣類より伸び縮みの幅が広く、洗濯機や乾燥機で縮んだり、重さで伸びてしまったりと型崩れしやすいのです。
しかし、糸自体が伸び縮みしているわけではないので、糸をほぐして整えれば元に戻ります。
最終的には重さで型崩れしてしまうことも
ハンガーを使用すると、どうしても重力で重さは下に向かい、重いニットは下に引っ張られる形となります。ハンガー跡が残るだけでなく、縦長に伸びてしまうということも考えられ、せっかくのデザインが型崩れして変形してしまいます。
洗濯後は平干しをすれば伸びない
洗濯して濡れた状態のニットは重さが増すので、ハンガーにかけて“吊るし干し”するのではなく“平干し”をするのがおすすめです。ニットを平らにして干す方法なので、重さで伸びてしまうこともなく、ハンガー跡の心配もありません。
洗濯表示に“平”と記載されたマークや、正方形のなかに“ー”という横棒が入っているマークがあれば、それは平干し推奨のニットですので、覚えておきましょう。
方法は市販の平干しネットを準備し、その上にニットを平らに乗せて乾くのを待つだけと、とても簡単です。
おすすめ平干しネット
【Desirable】物干しネット
- サイズ:幅77×奥行62×高さ78cm
- 耐荷重:1段約 2kg
- 材質: ポリプロピレン、ポリエステル
『Desirable』の物干しネットは、3段になる物干しネットなので、ニット衣類だけでなくぬいぐるみなど平置きで干したいものを同時に干すことができます。
ネット部分はメッシュになっているので風通しは抜群で、洗濯物が乾きやすい構造となっていますよ。さらに、使わないときはたたんで収納も可能なので、保管もしやすくおすすめです。
【ダイヤ】室内用物干し お部屋で平干しネット
- サイズ::幅63×奥行66×高さ26cm
- 耐荷重:約600g
- 材質:ポリエステル・鉄芯
梅雨の時期など雨が続くときは、なかなか外干しができないですよね。そんなときでも平干しができる商品を販売しているのが『ダイヤ』の室内用物干しお部屋で平干しネットです。
立体的な形状になるので風通しが良く、部屋干しの平置きでも乾きやすいですよ。さらに使用しないときは直径約29cm程度にコンパクトにまとめることができるので、収納にも困りません。
平干しネットがない場合
平干しネットが用意できなければ、ハンガー2本と大きめの洗濯ネットで代用できます。
ハンガーのフック部分に、洗濯ネットの端をハンモックのようにかけましょう。あとは物干し竿にハンガーをかけ、洗濯ネットの上にニットを置けば平干しネットの代用になります。
たたんで収納すれば型崩れなし
ニットを長期収納するのなら、ハンガーではなくたたむように心掛けましょう。
ニット用のハンガーを使用したとしても、長期間吊るされているとどうしても重さで伸びてしまうので、当分着ないものはタンスなどにたたんで収納するのがおすすめです。
ニットの正しいたたみ方
- 後ろ身頃を表にして平置きします。
- 肩の縫い目に合わせるように、左右の腕部分を内側に折りたたみましょう。
- 襟もとの幅くらいを基準に、さらに中心に向かって折りたたみ背中の中心線で腕部分を揃えます。
- 裾から3分の1程度の部分まで上に向かってたたみ、さらにそこから上半分に折りたたんでコンパクトな長方形にしたら完成です。
ニットをハンガーにかけるときは適切なハンガー選びと正しいかけ方で!
ニットは性質や重さによってハンガー跡がつきやすく、型崩れも起こしてしまいます。そのためハンガーにかける場合は、ニット用のハンガーにニット用のかけ方をする必要があるでしょう。
ニット用のハンガーは適度な厚みと人体の形に近い肩の曲線、そして滑り止めがあるものがおすすめで、自分のニットのサイズにぴったりなものを探してみてください。大切なニットを傷めないよう、ハンガー選びは重要です。
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