季節が変わるとやってくる「衣替え」。衣類の入れ替えをしたり、クリーニングに出したりと面倒に感じる人も多いですが、衣替えは欠かせないものです。そこで今回は衣替えをラクにする衣類の整理の仕方から収納のコツ、またシミや黄ばみ、虫食いといったトラブルを防ぐ方法もあわせてご紹介します。
目次
衣替えの基礎知識
衣替えってなに?
衣替えとは、季節に応じて衣類や調度を変えることを言います。普段身につける洋服を変えるだけでなく、タンスの中の洋服を変えると言う意味も持ち、「衣更え」「更衣(こうい)」とも表記されます。
衣替えはいつやるの?適した時期は?
衣替えは、夏から冬、冬から夏にかけて行うイメージがりますよね。一般的に、衣替えは6月1日と10月1日に行います。しかし最近では気温の変化が激しく、地域によって気温差があるので衣替えの時期を何月頃と断定することは難しいですが、最高気温で見極めると衣替えのベストタイミングがわかります。衣替えをするのに最適な気温と衣類の目安をご紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
気温が20~22℃(春頃)
20℃を超えるのは、春先の4月~5月頃です。20~22℃の場合には、体調によって薄手の長袖もしくは半袖にするようにしましょう。半袖でも問題ない場合もありますし、少し肌寒く感じることもあります。
最高気温が22℃以上(夏頃)
最高気温が22℃以上になったら、夏服にしましょう。半袖が大活躍します。ただ、ショッピングセンターなどではエアコンが効くようになるので、室内へ出かける際には薄手のカーディガンがあれば便利です。
気温が15~20℃(秋頃)
20℃を下回る10月下旬頃は、長袖にカーディガンやジャケットを持っておくと便利です。寒く感じたら、すぐに羽織れるようにしておきましょう。
気温が15℃以下(冬頃)
15℃以下は冬服です。セーターなど厚手の洋服に、コートやマフラーなども用意しておきましょう。
衣替えを簡単にする衣類整理のコツ
衣類を断捨離しよう
衣替えは季節に合わせて着る服を入れ替え、取り出しやすくするという作業ではありますが、タンスの中にある洋服を見直し、クローゼットの中を整理するきっかけにもなります。衣替えを行うことで、今持っている洋服を把握することができ、もう着なくなった洋服を知ることができます。着るもの・着ないものに分けると衣類の量が減るので、衣替えをより楽にすることができますよ。
ちなみに手放す洋服を決める判断基準は、次の4点です。
- 古く生地が傷んでいる
- 3年以上着ていない
- サイズが合わなくなった
- 流行に遅れている
断捨離はもったいないように見えても、思い切って捨てることでスペースを確保することができますし、クローゼットの中も心もすっきりしますよ。サイズが合わないものなどまだ着られる洋服は、リサイクルショップやフリマアプリを利用するといいでしょう。
季節ごとに分類しよう
着るものに分類した洋服を、「春夏の薄手服」「真夏にしか着ない服」「秋冬の薄手服」「真冬の厚手服」と、季節ごとに大まかに4チームくらいに分けていきましょう。このように季節ごとにひとまとめにしておくと、衣替えをするときに洋服を探す手間を省き、簡単に入れ替えることができます。また、どれにも分類することができないものや、オールシーズン着るものは「通年着る服」として別に分けておくといいかもしれません。
衣替えで気を付けたい衣服のトラブル防止法
シミや臭い、黄ばみ
いつの間にか、クローゼットの中にしまっていた衣類に嫌な臭いがついていたり、シミや黄ばみができていたりすることがあります。原因は、衣類に残った皮脂汚れです。これらを防ぐためには、収納前に衣類をもう一度洗濯し皮脂汚れを取り除くことが大切です。
皮脂汚れは繊維の奥深くに残っていることがあるので、酸素系漂白剤を使用して、しっかり汚れを落として洗濯した後、収納するようにしましょう。
色あせ
衣類に色汗が起きるのは、直射日光があたっていることが原因です。窓に近く、光があたりやすい収納スペースに置いているときには注意が必要です。
シワ
シワになりやすい衣類は、ハンガーにかけて収納するようにしましょう。たたんでしまう場合にも、その衣類の上に重ねて置かないようにすることも大切です。もしシワがついてしまった場合は、スチームアイロンでシワをとるか、再度洗濯をしてシワをとります。それでも直らないようであれば、クリーニングに出しましょう。
虫食い
虫食いを予防するためには、防虫剤を使用しましょう。防虫剤は、たたんだ洋服の一番上に直接触れないようにシートか何か敷いた上に置くようにしましょう。また、衣替えで着なくなった洋服を段ボールに収納する人もいますよね。
しかし、段ボールは湿気が多いため虫に食われることが多いという欠点があります。衣類を収納する際には段ボールではなく、密閉できるフタ付きのプラスチック製の衣装ケースやタンスを利用しましょう。
ダニ対策
ダニを予防するためには、しまい洗いをして衣類についた皮脂汚れやフケを落としてから収納するようにします。また収納する前に、衣類は全てしっかり乾燥させましょう。生乾き、半乾きのままだとダニが繁殖する環境となってしまうので注意しましょう。
また、ダニ予防に防虫剤も効果があり、ダニの繁殖を防いでくれます。また、衣類を収納する前のタンスの中のホコリも綺麗に掃除しておきましょう。水拭きをして日干しで乾燥させることで、ダニ対策になります。
次の衣替えがラクになる収納術と3つの注意点
どこに収納するかを決める
収納場所は1箇所に絞り、衣類が取り出しやすく管理しやすい場所に収納することが大切です。置く場所によって使用する収納ケースの形や大きさ、素材を変える必要があるので、収納場所はあらかじめ寸法を測っておくといいでしょう。また、着ない洋服はまとめてしまっておきましょう。
見つけやすいように工夫しよう
収納ケースを使用する場合は、透明のケースや窓付きで中が見えるものを選ぶといいでしょう。また、ケースにラベルを貼るなど、どこに何が入っているか見つけやすいようにすることが大切です。100円均一などで売られている収納用のラベルシールなどを使って、衣類が見つけやすい収納ケースをつくってみてください。
収納ケースを利用する
収納ケースに入れる洋服は、四角い形になるようにたたみ、立てて収納しましょう。縦に並べるのに比べて、上に積み上げる並べ方はシワになりやすいので、何枚も重ねないように気をつけてください。また、置く場所や使い方によってケースの形を選ぶ必要があります。着る頻度が高く出し入れすることが多い洋服を入れる場合は引き出し式のケース、高いところに置く場合は取っ手付きのものや不織布など軽い素材のケース、押し入れなど奥行きのある場所にしまう場合はキャスター付きのケースなど、それぞれの場所に合った収納ケースを選んで使いましょう。
【天馬】衣装ケース フィッツケース クローゼット用 カプチーノ 幅44×奥行53×高さ23
長年愛されている天馬の衣装ケースは、前倒れ防止機能と引き出しの落下を防ぐ引出しストッパーが付いており、頑丈な前枠も付いているので長くお使いいただけます。また、部屋のインテリアにも馴染みやすいシンプルなデザインで、使う人を選ばない衣装ケースです。
【アストロ】仕切りの匠 衣装整理ケース 約幅60×奥行35×高さ30
中身が見える透明窓と持ち運びやすい取っ手がついた不織布衣装ケースです。収納するものに合わせて仕切りを最大3つに分けることができる優れものです。通気性のいい不織布でできているため、空気がこもりにくくホコリを通しにくいため、衣類だけでなく寝具の収納にも適しています。
【アイリスオーヤマ】プラスチック天板 ワイドチェスト3段 幅53×奥行38×高さ59ホワイト/クリア
押し入れやクローゼットに収まるチェストです。引き出しが透明で、中に入っているものが見つけやすく、軽い力でも開けやすい引き出しなので、お子様でも簡単にお使いいただけます。また、チェストの足の部分にローラーをセットすることができるので、スムーズに移動させることができます。
しまい洗いを終えた衣類は、種類に分けて収納しましょう。服によって、ハンガーにかけて収納したほうがいいもの、たたんで収納した方がいいものがあるので、詳しく見ていきましょう。
ハンガーにかける衣類
コートはサイズも大きく、かさばってしまうためハンガーにかけて収納しましょう。特にファーなど毛がついているコートは、毛にクセがついてしまうと元に戻らなくなるので、注意してください。
シルク素材の洋服は、たたんで収納するとシワがついてしまい、取りにくいのでたたんで収納するよりもハンガーにかけて保存したほうがいいでしょう。
コートほど収納場所を取るわけではありませんが、シャツやブラウスといった衣類もシワが気になる場合には、ハンガーで保管した方がいいでしょう。しかし、しまい洗いをクリーニングで行い、たたんだ状態で出来上がってきた場合には、そのままタンスにしまうことができます。
たたんでしまう衣類
セーターはタンスに入れるとかさばるので、ハンガーのほうがよいと思いがちですが、ハンガーにかけておくと生地が伸びてしまう可能性があります。もし、タンスに入れるスペースがない場合には圧縮袋を使うのもおすすめです。もし圧縮袋に入れることでシワがついてしまったとしても、スチームアイロンをかけるとシワが綺麗に取れますよ。
【2024年最新】スチームアイロンおすすめ人気14選!素材やコードの有無に注目して選ぼう衣替えをする際の注意点
すぐに衣類をしまう
しまい洗いの終えた衣類は、すぐにクローゼットの中やタンスの中に収納するようにしましょう。日光の紫外線や蛍光灯の光にあたった状態でおいておくと、衣類が変色することが考えられます。生地を傷めず保管するためにも、しまい洗いをしてしっかり乾かしたら、すぐにクローゼットの中に収納しましょう。クローゼットの収納スペースが足りない場合は、突っ張り棒やハンガーポールなどを利用すれば、押し入れをクローゼット代わりにすることもできますよ。
クリーニングに出した衣類は袋から出す
クリーニングに出した衣類は、ビニール袋がかぶっていますよね。これは、ホコリなどから洋服を守るためのものですが、収納する際には全て外してください。
「ビニール袋をかけたままのほうが汚れもつかないし、綺麗に収納できる」と思いがちですが、ビニール袋の中は湿気がたまりやすく、カビが生えてしまうこともあります。そのため、クリーニングから返ってきた衣類はすぐに袋を外してチェックし、収納するようにしましょう。
週1回は換気する
衣類につく独特の臭い、カビの臭いは換気を行うことである程度防ぐことができます。週に1回はクローゼットの中を換気するようにして、空気の入れ替えを行いましょう。
衣替えから出した服のニオイ・黄ばみ撃退法
カビ臭い場合
タンスから衣類を出した時にカビくさい臭いがした場合には、もう一度洗うようにしましょう。しかし、一度カビが生えた服は、洗っても落としきれないことがあります。そうならないように、事前に対策しておきましょう。
- 空気の入れ替えをする
カビは湿気を好みますので、カビ対策には湿気取りがおすすめです。タンスの中、クローゼットの中が湿気ないように、湿気取りを入れておきましょう。また、1週間に1度のペースで定期的にクローゼットの中を開けて、空気の入れ替えをしてください。そうすることで、空気の循環がうまれ、一ヶ所に空気が籠らなくなります。
消臭剤、防虫剤の臭いの場合
収納する際に、臭い対策・虫対策として消臭剤や防虫剤を使用する人も多くいるでしょう。ホームセンターにも様々な種類の防臭剤・防虫剤が販売されています。しかし、衣替えで出したとき、臭いが気になってしまいますよね。ではどうすればいいのか、3つのポイントをご紹介します。
- 無香料のものを選ぶ
- 違う種類の消臭剤・防虫剤を一緒に入れない
- 一度洗濯する
消臭剤・防虫剤の中には、香料が入っているものがあります。しかし、この臭いは一度ついてしまうとなかなか取れなくなってしまうため、香りのついていない無香料タイプのものを選ぶようにしましょう。
消臭剤も防虫剤も、違う種類のものを一緒に使用しないようにしましょう。違う種類のものを狭い空間に入れてしまうと、臭いが混ざり合い、きつく嫌な臭いになってしまいます。また防虫剤は洋服に触れないように入れましょう。生地に触れることでシミや変色の原因となる可能性があります。
様々な対策をしても、どうしても臭いが気になってしまうときもありますよね。その際には、一度洗濯しましょう。洗濯し、しっかり乾燥させるだけで臭いも気にならなくなりますよ。
シワを消したい場合
タンスにたたんで入れていた服にシワが付いていた場合は、アイロンをかけてシワを伸ばしましょう。セーターなら、スチームアイロンで生地を伸ばすようにしてください。アイロンをかけるには、アイロンをかけても問題のない素材かどうか、洗濯表示を必ずチェックするようにしてください。
黄ばみが気になる場合
衣類についた黄ばみが気になる場合は、漂白剤を使用しましょう。タンスから出した衣類を着る前に漂白し、洗濯することで黄ばみを落とすことができます。その際は、衣類が漂白剤を使用可能かどうか、必ず洗濯表示をチェックするようにしましょう。
衣替えがめんどくさい!衣替えをラクに行う方法
年に2回のこととはいえ、どうしてもめんどくさく思ってしまうのが衣替えですよね。平日、休日も仕事に忙しいと、なかなか衣替えの時間まで確保できないこともあるでしょう。そんな時は、これからご紹介する方法を試してみてください。
服を持ちすぎない
「そもそも、服がたくさんあるから衣替えが必要」という考え方です。必要な分だけ洋服を持つようにすれば、管理も簡単になりますし、衣替えの必要もなくなります。また、洋服を新たに購入することも少なくなり、クリーニングに出す回数も減るので経済的にもメリットがあります。しかし、アパレル関係など職業によっては難しいかもしれません。
オールシーズン着る服を増やす
オールシーズン出しておく洋服を増やすという方法もあります。オールシーズン着れる素材やデザインの洋服を増やしておくことで、季節ごとに入れ替える衣類が減り、衣替えの手間を少なくすることができます。通年着る服が増えれば、衣替えをする必要もなくなるかもしれません。
クリーニング店の保管サービスを利用する
クリーニング店によっては、クリーニング後そのまま保管してもらうという方法があります。衣替えの季節に、一気に洋服をクリーニングに出し、保管してもらっていた服を受け取るだけで衣替えが完了します。
また、衣類の保管は全てプロの責任で対応してくれ、温度湿度の管理も徹底しています。料金はかかりますが、大切な衣類を全て管理してくれるので安心ですし、衣替えが面倒という人にはおすすめです。
コツをつかんで簡単に楽しく衣替えしよう
季節が変わると、「そろそろ衣替えしないと」と思いますが、どこか面倒なものです。しかし、衣類の整理の仕方や収納のコツをつかめば衣替えをもっとラクに行うことができます。
また、衣替えは保管の仕方が何よりも大切です。気を付けていないと、衣類に臭いがついたり、カビが生えたり、虫食いが起きたりと残念なことになってしまいます。
そうならないためにも、消臭剤や防虫剤を利用したり、空気の入れ替えを行うなど手間をかけて行ってくださいね。衣替えは面倒なだけでなく、自分の持っている衣類をチェックできる機会と捉え、前向きに行ってください。