自宅の洗濯機にはさまざまな洗い方の機能が付いていますが、使ったことはありますか?今回は「ドライコース」について詳しく説明します。ドライコースとはどのような衣類が向いているのか、使い方や注意点、そしてドライクリーニングとの違いなど、ドライコースに関する気になる部分をご説明します。
目次
洗濯機のドライコースについて
ドライコースとは
衣類の傷みや縮みの原因ともなる水流、洗浄力、脱水などの力加減が通常よりも弱くなるように、自動で設定されているコースです。普段よりも少ない水量で、揺するようにして洗うので、洋服を傷めにくいというメリットがあります。
まず、衣類を洗濯槽に入れ洗剤を投入します。その後、水の力を利用して泡を作り、その泡で包み込むように衣類を優しく洗います。すすぎは遠心力を利用して優しい水流で行います。
衣類が絡み合わないようほぐしながら脱水していきますます。全体的に洗濯物を優しく洗うコースです。
ドライコースの使い方
ドライコースは、衣類についた汗などの水溶性のシミを落とすのに効果的です。衣類の中でも特におしゃれ着やデリケートな洋服に適しており、セーターやニット、ウール、シルクといったデリケートな衣類におすすめです。
新品の風合いを保ちたい衣類にも適しています。ドライコースは衣類が傷んだり、縮んだりといったことが少なく、また型崩れや色落ちが心配なワンピース、スカート、ズボンにも適しています。
メーカーによって名称が異なる
ここではドライコースと呼んでいますが、洗濯機のメーカーによってはドライコースという呼び方ではなく、手洗いコース、おうちクリーニング、ソフトコースといった名称で表示されていることもあります。ドライコースを使用する際には、一度取り扱い説明書を読んで確認してください。
ドライコースの特徴
通常の洗濯コースとの違い
通常の洗濯コース(標準コース)は、洗濯槽が力強く動いて衣類を洗い、たっぷりの水ですすいでしっかり脱水するというものです。ドライコースのほうが洗浄力や洗い方が優しいのですが、標準コースは日常生活の中で衣類についた汚れを落とすことを第一としています。
クリーニング店との違い
クリーニング店でのドライクリーニングは、有機溶剤を使用しています。そのため皮脂、メイク汚れ、こぼれた調味料といった油汚れのケアに強く、繊維の型崩れを防ぐことができます。
しかし、汗など水溶性の汚れ落としには向きません。汗などの水溶性の汚れに対してドライクリーニングに出す場合、ウェット、ダブル洗いといった水洗いオプションが追加されることもあり通常より値段が高くなります。
汚れの種類によって、家庭でのドライコースとクリーニングを上手に使い分けましょう。
ドライコースの時間
ドライコースは通常の洗濯コースに比べて脱水時間が短く設定されています。これは、長時間脱水することで、衣類にシワができるのを防ぐためです。そのため、洗濯が終わったらすぐに取り出して干すようにしましょう。特にウールは形を整えたあとに陰干しがおすすめです。
ドライコースの前にチェックしておくこと
洗濯表示を確認しよう
まずは、自宅にある洗濯機のドライコースで洗うことができるかどうかをチェックしておきましょう。全ての洋服に「取り扱い表示」が付いています。
『桶に水が波打っているマーク』だとすべて洗濯機で洗うことができます。桶の下の1本線、2本線、手のマークのものも全て問題なく使用できます。
ただ、桶のマークの上に大きく×がついていると洗濯機で洗うことができないものとなるので、クリーニングに出すようにしましょう。また、「石油系」の表示がある場合には、自宅で洗うよりもクリーニングに出した方が良いといえます。
新しい洗濯表示(洗濯マーク)を確認して正しくお洗濯!変更のポイント・一覧・見方を解説シミがないかチェック
洗濯する衣類の襟元、袖口などに汚れがついていないか確認しましょう。汚れがあった場合には使用する中性洗剤の原液をつけて、指で優しく馴染ませてください。
洗濯ネットに入れて洗濯する
大切な衣類は洗濯ネットに入れてから洗濯することで、型崩れを防いでくれ、繊維の痛み、縮みに対してもケアしてくれます。
特に気になる襟元や袖口は表に出るように畳んで入れると、汚れが落ちやすくなります。衣類にファスナーやボタンがついている場合には開けたままにせず、閉じた状態で洗濯機の中に入れてください。
洗濯ネットの使い方やポイント!バスタオル・シャツ・ズボンなどの洗い方も解説水温は30℃以下にしよう
洗濯を行う際には、水温を30℃以下にしておきましょう。水温が高い状態で洗濯してしまうと、衣類が縮みやすくなってしまいます。お風呂の水を使用する際には、しっかり冷ました状態で使用しましょう。
おしゃれ着用洗剤を使用する中身
ドライコースを使用する場合には、おしゃれ着洗い用の中性洗剤を使用するようにしましょう。液体の中性洗剤を使用することで、繊維の切れや衣類のヨレ、色あせなどの洗濯ダメージを防いでくれ、衣類についた汚れをしっかり落としてくれます。
これは、おしゃれ着用に中性洗剤に型崩れや色落ちを防ぐ成分が含まれているためです。通常の洗剤には含まれていません。また柔軟仕上げ剤も併用して使用することができます。
乾燥はNG
洗濯機によっては乾燥機能がついているものもありますが、ウールなど素材によっては洗濯機での乾燥がNGの衣類もあるので、それも確認しておきましょう。干し方は形を整えた後、平干しがおすすめです。
ドライコース以外も?洗濯機の機能とは
スピードコース
スピードコース、お急ぎコースといった、洗濯の時間を短縮できるコースです。標準コースと比べても、10~30分ほど、時間を短縮することができます。スピードコースにすると、電気代を20~50%、水道代を約30%節約することもできます。
ただ、標準コースよりも洗浄力は弱いことから、汚れがひどい衣類に関してはあまり適してないともいえます。1人暮らし、夫婦2人暮らしでの日常生活の洗濯物なら、スピードコースでも十分に汚れを落とすことが可能です。
標準コースとの違い
スピードコースのように、通常より時間が短いとなると「何が違うの?」「汚れも落ちにくい?」と心配になります。通常コースの場合は「洗い→排水→すすぎ→脱水→すすぎ(2回目)→脱水(2回目)」となります。
スピードコースだと、「洗い→排水→すすぎ→脱水」のみで、2回目のすすぎと脱水を省きます。スピードコースを使用する場合には、すすぎ1回でも問題のない洗剤を使用し、通常よりも泡切れがよいものを選びましょう。
大物洗いコース
大物洗いコース、毛布コースといった毛布やタオルケットなどの、大きい洗濯物を洗うのに適したコースです。このコースは洗濯槽の回転、振動によって洗剤を染み込ませるため、洗濯にかかる時間も長くなりますし、使用する水の量も多くなります。
標準コースでも毛布は洗うこともできますが、遠心力で毛布が飛び出す恐れもあるため、専用ネットを使用して洗濯するようにしましょう。
洗濯機のドライコースを正しく使用して衣類を守ろう
洗濯機のドライコース、普段なかなか使用しないという人も多いと思います。標準コースばかりで、おしゃれ着や型崩れ、色落ちさせたくない衣類はクリーニングに持っていくという人もいるでしょう。
しかし、1着のためにクリーニング店に行くのも大変です。洗濯機にも優しく洗うためのコースがあり、デリケートな衣類にも対応しています。自宅でも簡単に洗うことができるため、クリーニング店と上手に使い分けるのもおすすめです。
洗濯機のドライコースを使用する場合は、洗剤の用量やネット使用など、注意点を守って洗うようにしましょう。