引越しや洗濯機の買い替えなどをするときにやらなくては行けない作業の1つに「洗濯機の水抜き」があります。引越し業者さんから前日に突然言われて「どうやるの?」と不安になった人も多いのではないでしょうか。今回は、知って損はない「洗濯機の水抜き方法」について、分かりやすくたっぷりご紹介していきます。
目次
洗濯機の水抜きについて
「洗濯機の水抜き」と聞いてなんとなく意味はわかるものの、「わざわざなんで水を抜く必要があるの?」と思う方がほとんどではないでしょうか。ここではどうして水抜きが必要なのか、注意点などの基本を確認していきましょう。
水抜きは何のため?
そもそも水抜きとは、「洗濯機の中の水を抜くこと」と思いがちですが、脱水をし終えた洗濯機の中にはほとんど水は残っていません。
実際には給水ホースと排水ホースに残っている水を抜き取ることを「水抜き」と言います。では、引越し時を想定して、洗濯機の水抜きをしなかった場合どのようなことがおこるのか具体的な例を3つ紹介します。
- 洗濯機から水が漏れた場合、他の荷物や家電を濡らしてしまう
- 運搬するのに重い
- 運搬(引越し)業者に余計な費用を支払わなくてはならなくなる
上記の通り、引越し業者の手間になることが分かります。少しでも安全に早く、そして楽に作業ができるようにするために、水抜きをする必要があります。
洗濯機の取外しや設置をするときの注意点
業者に洗濯機の取外しや設置を依頼するときは、下記ポイントを必ずチェックするようにしましょう。
搬入経路の確認
洗濯機を移動させるには、搬出・搬入する際の経路確認が必要。特にマンションなどの場合は、戸建て住宅に比べて使用できる通路が限られますので、更に注意が必要です。
チェックポイントとしては通路・階段・戸口・廊下などの幅やエレベーターの有無など、問題なく洗濯機が通過し設置場所まで運べるかを事前に確認しておくと安心です。
設置場所の確認
洗濯機の下に設置されているプラスチックのような板を「洗濯パン(もしくは、洗濯機パンや防水パン)」と言います。
洗濯機と床の間に設置して、水漏れを防ぐ役割がありますが、最近では洗濯パンが設置されていない住宅も増えてきているため、使ったことがないという人もいるかもしれません。
洗濯パンの上に洗濯機を設置して使用しますが、洗濯パンにはタイプがいくつかありますので、お使いの洗濯機の設置が可能なタイプかどうか事前に確認しておきましょう。
また、ドラム式洗濯機の場合は、前面の扉が完全に開くスペースがあるかどうかも確認しておくと良いでしょう。
蛇口や排水口の位置や高さの確認
洗濯置き場の蛇口や排水口は、ほとんどの場合洗濯機に対応していますが、まれにそのままでは取付けられない形状や位置のものがあります。
その場合、取付け設置には専用の部品や、別途工事が必要になってしまうこともあるので、事前に確認しておきましょう。
付属品の確認
給水ホース・排水ホース・エルボ(排水口をつなぐL字型の部品)やコード類など、洗濯機の設置に必要な付属品は1つでも紛失してしまうと洗濯機が使えなくなってしまいます。
部品類は一式まとめて袋などに入れて、洗濯機本体の中にガムテープなどで貼り付けておくと良いでしょう。取扱説明書も忘れずに保管しておくようにしましょう。
洗濯機の水抜きの手順/ドラム式・縦型洗濯機
ドラム式と縦型洗濯機のそれぞれの違いとポイントも合わせてご紹介します。手順を守ればとても簡単にできますし、手間も時間もあまりかかりません。お手元にバケツとタオルを準備して、水抜きの手順を確認していきましょう。
水抜きの手順
蛇口を閉めたら洗濯機の電源を入れてスタートボタンを押します。(何も入っていませんが、通常通り洗濯機が回り始めます。)30秒程度おいてから洗濯機を止めます。その際、ホースに残っていた水が洗濯機に流れ込むので、これで給水ホースの水抜きは完了となります。
脱水が終わったら、電源は必要なくなるのでコンセントを抜きます。コンセントタップにアース線(電源プラグとは違う緑や黄色のカバーがしてある細い線のこと)がありますので、一緒に外しておきましょう。
【ドラム式洗濯機の水抜きの手順】
縦型洗濯機の水抜きでの5と6の手順の間に「糸くずフィルターの水抜き」という手順が加わります。糸くずフィルターのつまみを緩めて、洗面器を下に当てて水を受けます。
水が全て出たらタオルなどで拭いてつまみを元に戻します。⑥洗濯槽の水滴を拭き取る以降は、縦型洗濯機と同様に行います。
洗濯機を傾けるのはほんの少しで大丈夫です。排水ホースの水抜きができたら、ホース自体の汚れも取り除きましょう。洗濯機の部品の中でも、排水ホースは特に汚れが溜まりがちで、詰まりや臭いの原因になってしまうケースがありますので、丁寧に掃除しておくようにしましょう。
洗濯機の水抜きトラブルの対処法
水抜きを行う際に思わぬ洗濯機のトラブルが起こることも。どのような対処方法が適切なのかわからず悩まれた経験がある人もいるのではないでしょうか。水抜きでよく起こりがちなトラブルを確認しておきましょう。
水抜き後にチャプチャプと音がする場合
しっかりと水抜き作業を終えた後にも関わらず、洗濯機を持ち上げるとチャプチャプと水の音がすることがあります。
これは、「液体バランサー」といって、縦型洗濯機が振動を押さえるために、洗濯槽の間に食塩水をあえて溜めているためのもので、「取り出す必要のない水」なので安心して下さい。
新品の洗濯機にも入っていて、洗濯機のバランスを取るために必要になる大切な水なので、取り除く必要はありませんし、水が漏れてくるという心配もありません。
また、ドラム型の洗濯機にも同じように食塩水が溜まっていますが、名称が「バランスリング」と呼ばれています。仕組みは縦型と同じようなものですから、水の音がしても特に気にする必要はありません。
洗濯機が故障して水抜きができない
明らかに水が入っているのに、脱水ボタンを押しても水抜きできない場合は、洗濯機が故障している可能性があります。
- コンセントが入っているか?
- 洗濯機の電源が入っているか?
- 脱水モードを洗濯しているか?
- 洗濯機のふたは閉めてあるか?
などを確認し、いくら試しても水抜きができない場合は、洗濯機の底の部分にある「排水弁」という所に、溜まった洗濯物のホコリやゴミが詰まってしまっている可能性があります。
何度か排水作業を繰り返すと、まれにゴミが押し出されて詰まりが解消されるケースもありますが、治る可能性はとても低いです。
もし排水弁にゴミがたまっていた場合、素人の力ではどうにもできません。業者に修理を依頼するか、廃棄するかどちらかを選択しましょう。
引越し時はいつまでに水抜きをするべき?
引越し業者に洗濯機の水抜きを依頼する場合、ほとんどの場合が「前日までに水抜きを完了させておいて下さい」と案内されます。ですが、実際には10分程度の時間で簡単にできてしまう作業です。
引越し前日の夜に洗濯をしたいという場合もありますし、絶対前日にしなくてはならなということはありません。万が一のトラブルにも備えて、引越し作業開始の2時間前くらいまでには水抜きの作業を完了させておきましょう。
業者に依頼したときの費用は?
洗濯機の設置にかかる費用の相場は下記の通りです。
縦型洗濯機の場合
- 取外し:1,500〜3,000円程度
- 取付け:3,000〜4,000円程度
ドラム式洗濯機の場合
- 取外し:5,000円〜
- 取付け:9,000円〜
ほとんどの場合、引越しの際に水抜き作業が必要になることから、上記の取外し・取付けの設置費用の中に諸経費として含まれていることが多いようですが、洗濯機単品で移動させる場合で縦型洗濯機が5,000円前後〜、ドラム式洗濯機は1万円〜程度必要となります。
また、洗濯機を処分する場合は下記の方法があります。
- 新品を購入した家電量販店などの販売元に引き取ってもらう
- 今使っている洗濯機を購入した店に相談する
- リサイクルショップに依頼する
なお、洗濯機は家電リサイクル法でリサイクルが義務づけされているため、粗大ごみとして処分することはできません。そのため、メーカーによって多少前後しますが、収集運搬料金1,000〜2,000円と、リサイクル料金2,300円程度を負担しなくてはいけません。
また、リサイクルショップでは、メーカーや製造年月日、商品の状態によっては買取してくれる場合がありますので、電話などで確認してみましょう。
洗濯機の仕組みを理解してトラブルに備えよう!
普段の生活の中では、なかなか洗濯機の水抜きをするという機会は少なく、引越しなどの際には、業者さんに任せる人も少なくないかもしれません。ですが、今回ご紹介した通り、洗濯機の水抜きはとても簡単ですし、女性でも1人で行うことができます。
自分で水抜きできると費用の節約にもなりますし、故障などのトラブルを未然に防げたり、メンテナンスが手軽にできたりするようにもなります。思っているよりも簡単に、短時間でできますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。