毎日長い時間使う枕は、頭の皮脂やフケなどで汚れています。また、汗などの湿気はそのまま放っておくと、ダニや雑菌の温床になってしまいます。直接肌に触れるものは清潔に保ちたいですね。今回は、睡眠には欠かせない枕の洗い方や、干し方などのお手入れ方法をご紹介します。
目次
枕は自分でも洗えるの?素材をチェックしよう
「枕カバーは洗っているけど枕は洗っていない」、もしくは「洗っていいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。実は枕には、洗っても良い素材と洗ってはいけない素材があります。
ただ、それをどう判断すべきか迷ってしまいますね。ここでは、どの素材がどのように洗えるのか確認する方法をご紹介します。
枕の洗濯表示をチェック
枕にも洋服と同様に品質表示のタグが付いており、そこに枕に使われている素材と、「洗濯表示」というその素材に適した洗濯方法が記載されています。
まずはこのタグを見て、洗濯ができるのか、どのような方法で洗えば良いのかを判断しましょう。
万が一、品質表示タグが消えてしまっていて、使われている素材が洗えるのか分からない場合は、洗わないことをおすすめします。その場合は、洗えない素材の枕のお手入れ方法を参考にしてください。
新しい洗濯表示(洗濯マーク)を確認して正しくお洗濯!変更のポイント・一覧・見方を解説洗える素材とは
洗える素材は以下の通りです。
- ポリエステル綿
- パイプ
- プラスチックボール
- 高反発ファイバー
- 洗えるビーズ
ポリエステルはよく枕に使われている綿のような素材で、基本的に洗濯が可能です。ただ、中には洗濯できない物もあるので洗濯表示を必ず確認してください。
パイプは短いストローのような形で、耐久性に優れ洗濯も可能なことから人気の高い素材です。
プラスチックボールと高反発ファイバーは、通気性が高いので洗濯しやすいでしょう。ビーズに関しては、ビーズの素材や枕の構造によって洗えない物があるので、品質表示タグをよく確認してください。
洗えない素材とは
洗えない素材は以下の通りです。
- そばがら
- 低反発ウレタン
- 羽毛
- 洗えないビーズ
- ラテックス
- ヒノキ
そばがらやヒノキは香りが良いので人気も高いですが、天然の素材なので洗うと香りが抜けてしまったり腐ったりしてしまいます。同様に天然素材のダウンやフェザーなどの羽毛も乾きが悪く洗えません。
低反発枕に使われるウレタンは、水や熱に弱く、水洗いすると破れてしまいますので絶対に避けましょう。高反発枕によく使われるラテックスは劣化してしまうので、丸洗い・天日干しはできません。
基本的な枕の洗い方
ここからは枕を家庭で洗うときの基本的な洗濯方法を見てみましょう。洗濯機を使う場合と手洗いする場合に分けて、手順をご紹介します。
洗濯機で洗う場合
- 用意するもの
- おしゃれ着用中性洗剤
- 枕用洗濯ネット
脱水し形を整えて干す
長い時間の脱水は避け、枕を軽く叩いて形を整えます。素材に合わせた方法で干しましょう。下記の「素材別の枕の干し方とコツ」を参考にしてください。
手洗いする場合
- 用意するもの
- おしゃれ着用中性洗剤
- たらい、桶など
洗える枕の「素材別」洗濯方法
洗える枕でも、それぞれの素材に適した洗濯方法があります。枕を洗うべき頻度も気になりますよね。素材別の洗い方や頻度、汚れがひどいときの洗い方をご紹介します。
どれくらいの頻度で洗えばいいの?
枕はどれくらいの頻度で洗えば良いのでしょうか。
旅館やホテルの衛生管理法を参考にしてみると“6ヶ月に一度は丸洗いをすること”と定められているので、そのくらいの頻度で洗えば清潔に保てていると言えるでしょう。
枕はしっかり乾燥させることが大事です。家庭では年に一度、晴れの日が多く乾きやすい季節に洗うという頻度でも良いかもしれませんね。
ポリエステル綿枕の洗い方
ポリエステルの枕は洗濯機で洗えるものが多いですが、念のため洗濯表示は確認してください。洗濯ネットに枕を入れたら、洗濯機のソフト洗いや手洗いコースで優しく洗いましょう。
大きいものは、たらいなどで手洗いしてください。洗剤は普段使っているもので構いません。軽く脱水をかけたら干しましょう。ポリエステル枕は天日干しが向いています。
【ダイヤコーポレーション】枕用洗濯ネット 70×40 洗って干せる
洗濯機で洗うときに使える枕用の洗濯ネットです。洗ったあとはネットに入れたままハンガーに吊るして干すことができ楽ちんです。63×43(cm)までの枕が入ります。
パイプ・プラスチックボール枕の洗い方
こちらも基本的には洗濯機で洗えますが、忘れずに洗濯表示を確認しましょう。ポリエステル枕同様、枕を洗濯ネットに入れてソフト洗いや手洗いコースで洗います。おしゃれ着用の中性洗剤を使うと良いでしょう。
パイプやプラスチックボール自体は水分を吸わないので、天日干しで水分を蒸発させるように乾かします。
【ファーファ】フリー&超コンパクト液体洗剤 無香料
無香料の中性洗剤です。寝るときに洗剤特有の香りが気にならず、W洗浄成分と酵素の力で臭いの元から落としてくれます。
また、植物由来の抗菌成分が配合されているので、臭いの付きやすい枕に効果が期待できます。
高反発ファイバー枕の洗い方
ファイバー素材の枕は基本的に洗えますが、洗濯機ではなく手洗いで洗いましょう。汚れにくい素材なので水洗いだけでも十分ですが、汚れが気になるのであれば中性洗剤を溶かした水で洗いましょう。
枕の変形を防ぐため、押し洗いやもみ洗いではなく水を流しながら洗うことをおすすめします。
洗濯可能なビーズ枕の洗い方
ビーズ枕は素材によっては洗えないものもあるため、必ず洗濯表示を確認してください。洗濯可能な場合は、生地が破れて中身が出てしまうことを防ぐためにも、必ず洗濯ネットに入れて手洗いをすると安心です。
中性洗剤を使って、生地が破れてしまわないように優しく押し洗いをしましょう。
洗濯可能な低反発枕の洗い方
素材にウレタンフォームが使われている場合は、水に弱いので残念ながら洗うことができません。しかし、洗える素材の低反発枕もありますので、洗濯表示や取扱説明書を確認してみましょう。
洗える場合でも、ウレタンはデリケートな素材なので、手洗いで優しく洗ってください。たらいにぬるま湯を入れ、おしゃれ着用中性洗剤をよく溶かします。
ゆっくり優しく押し洗いをしましょう。こねてしまうと型崩れしてしまう恐れがあるので控えてください。
汚れがひどいときは
嫌な臭いや黄ばみなど、蓄積してしまった汚れはどうしたら良いのでしょうか。その原因は皮脂やよだれのたんぱく質で、放っておくとどんどん落ちにくくなってしまいます。早めに対処しましょう。
【花王】ワイドハイターEX 粉末タイプ
染み込んでしまった頑固な汚れを強力に落とす、粉末タイプの酸素系漂白剤です。40℃のぬるま湯を使うとより効果を発揮します。
消臭・除菌効果も期待でき、枕の洗濯にぴったりの洗剤と言えるでしょう。
洗えない素材の枕はどうすればいい?
洗えない素材の枕は、どのようにお手入れすれば良いのでしょうか。洗えない素材の枕のお手入れ方法を大きく4つに分けてご紹介します。
基本的には干す
枕はたくさんの湿気を含んでいて、ダニやカビ、雑菌の繁殖の原因になります。洗えない枕でも、定期的に干すことによって、湿気や臭いが取れて快適に使えるでしょう。
天気の良い日には干すように心がけると、洗えなくても清潔に保つことができますよ。干し方については「素材別の枕の干し方とコツ」を参考にしてくださいね。
布団クリーナーを使用する
布団のほこりやダニを吸ってくれる布団クリーナーを、ぜひ枕にも使用してみてください。枕の繊維の奥に潜むホコリやダニまで吸い取ってくれます。
最近では枕に特化したモードが搭載されたクリーナーもありますので、使っている布団クリーナーの取扱説明書を確認しましょう。
しかし、枕の湿気を取ることはできないので、干すのとプラスして使うと良いでしょう。
布団乾燥機を使用する
布団乾燥機を使えば、干さなくても枕の大敵である湿気を取ることができます。
やり方は簡単で、布団乾燥をするときに枕も一緒に布団の中に入れておくだけです。乾燥中はかなり高温になるので、使っている枕の耐熱温度を必ず確認しておきましょう。
【アイリスオーヤマ】 まくら乾燥袋 FK-MDB1
枕だけを乾燥させたいときに便利な枕用乾燥袋です。枕を入れて送風口に乾燥機のノズルを差し込むだけなので手軽に枕の乾燥ができ、上から布団を被せれば布団乾燥もできます。
枕の耐熱温度が70℃以上であることを確認してください。
クリーニングに出す
枕のクリーニングをしてくれるクリーニング店が近くにあれば相談してみましょう。枕の素材が洗濯不可のものでも受け付けてくれるお店もあります。
素材別の枕の干し方とコツ
素材別に適した洗い方があったように、枕の素材に合う干し方もそれぞれ違います。枕の干し方にもコツがあるので参考にしてみてくださいね。
そばがら・ポリエステル・パイプ・プラスチックボールは天日干し
天日干しとは、直射日光に当てて乾かす干し方です。日光が枕にまんべんなく当たるように干し、時々裏返すようにしましょう。
ポリエステル・パイプ・プラスチックボールは、洗濯したあと天日干しでしっかりと乾ききるまで干しましょう。そばがらは吸湿性に優れており、寝ている間の湿気をたくさん吸収してくれているので、こまめに干すと清潔に保てます。
天日干しの効果
直接日光に当てる天日干しは早く乾くだけでなく、水分中の菌の繁殖も抑えてくれます。
また、日光に含まれる紫外線により殺菌効果も期待でき、嫌な臭いも抑えられます。干したあとは、ふかふかして気持ちが良いですよ。
低反発ウレタン・羽毛・ビーズ・ラテックスは陰干し
陰干しとは、天日干しとは逆で、日光が直接当たってしまわないようにする干し方です。良く晴れた日に風通しの良い場所で行いましょう。
ウレタンやラテックスは水分と熱に弱い性質があり、日光の熱で品質が劣化してしまう恐れがあります。天日干しではなく陰干しをしてください。
羽毛は天日干しもできるのですが、熱がこもってしまうため30分程度にとどめ、基本的には陰干しで湿気を取りましょう。
また、ビーズは熱に弱く変形の恐れがあるので、洗える物も洗えない物も干すときは陰干しがおすすめです。
陰干しの効果
陰干しは、日光の紫外線で生地や中の素材が劣化してしまうことなく乾燥できるのがメリットです。干すだけなので手間がかかりません。定期的に陰干しすることで湿気を取り、ダニやカビ、嫌な臭いも抑えられます。
枕を干すときのコツと頻度は
枕を干すとき、特に洗濯したあとは形が崩れているので形を整えてから干すようにしましょう。中身の片寄りが防げるため、平干しするのがおすすめです。
平干しができる枕用ネットがあると便利ですが、無ければハンガーを2本使って置くように干したり、物干し竿2本に渡すようにしたりして干すと良いでしょう。
そして、干したあとに表面のほこりやダニを掃除機で吸い取れば、よりすっきりしますよ。ちなみに布団のように叩いてしまう方もいるかと思いますが、枕が痛む原因になってしまうので控えましょう。
また、洗えない枕は湿気を取るのが清潔に保つためにも重要なので、晴れた日はなるべく干すように心がけ、最低でも一週間に一度は干すようにしてくださいね。
【まがり堂】セーターや枕も干せる!!平干しネット 幅広平型
平干しができる大きめのネットが3段もあるため、場所を取らずに家族分の枕が干せます。
転落防止バンド付きで枕が落ちてしまうこともありません。360°回転するロック付きのフックなので、強風でも安心して干せるでしょう。
洗えない素材の枕を洗ってしまったときの対処法
「よくわからずに洗えない素材の枕を洗ってしまった!」という方もいるかもしれません。そんなときは落ち着いて対処しましょう。
まずは、枕の型崩れを防ぐためにカバーを付けましょう。そしてゆっくりと押すようにして水分を出していきます。
このとき、雑巾を絞るようにねじってしまうと、中身がちぎれてしまったり、破損してしまったりする恐れがあるので絶対に行わないでください。
軽く水分が切れたら陰干しします。日光に当てて早く乾かしたくなってしまうところですが、さらに劣化してしまう恐れがあるので、陰干しで焦らずじっくりと乾かしましょう。
完全に乾ききるまで数日はかかってしまうかもしれませんし、この方法で枕が完全に元通りになる可能性も少ないでしょう。
洗濯前に洗濯表示を必ず確認するようにして、水洗い可能か疑わしい場合は洗濯しないほうが無難でしょう。
枕を清潔に保つためのコツ
枕本体をこまめに洗うのは、乾かすのにも時間がかかるし、少し大変ですよね。では毎日使う枕を清潔に保つにはどうすればよいでしょうか。
まずは、枕そのものを汚さないような工夫をしてみましょう。
枕を汚さないために厚手のカバーを付ける
枕をなるべく汚さずに保つためには、やはり枕カバーが重要です。枕本体にまで汚れが染み込まない厚手のタイプもありますし、カバーの上にさらに枕パッドを付けたり、タオルでくるむのも良いでしょう。
【テイジン】ミクロガード(R) プロテクター まくら用
普段使っているカバーの下に付けるタイプの防ダニ枕カバーです。ダニが出入りしてしまう繊維の隙間を無くした高密度仕様で、薬剤を使用していないので小さなお子様にも安心して使えます。
カバーの下に付けるので、汗や汚れからも枕を守ってくれますよ。
【ナイスデイ】 枕パッド グレージュ 43×63cm mofua(モフア)綿100%
湿気を保ちやすい空気の層をなくすことで、ドライな質感と冷却効果が期待できます。綿100%で洗濯しやすいのはもちろん、抗菌防臭機能付きで菌や嫌な臭いまで抑えられます。
ゴムバンドで付けるタイプなので着脱がしやすいのも嬉しいポイントですね。
頭を清潔にしてから寝る
一日を過ごした頭皮は、皮脂や汗、フケなどの汚れでいっぱいです。そのまま寝てしまうとやはり不衛生ですし、暑い夏は寝てる間にも汗をかいてしまいます。
一日の汚れはできるだけ洗い流してから寝るようにしましょう。
【ニトリ】 Nクールダブルスーパー 枕カバー
メッシュ素材と冷感素材の両面使えるリバーシブルタイプです。暑い夏でも快適に寝られるので、汗をたくさんかいて枕にまで染み込んでしまう、ということも少なくなるでしょう。
ゴムバンドタイプで着脱しやすいのでこまめに洗濯できますね。
正しく枕をお手入れして快適に眠ろう!
枕の様々なお手入れ方法をご紹介しましたが、まずは使っている枕の素材を知り、正しいお手入れをすることが大切です。
布団だけでなく、枕もこまめにお手入れして、毎日の大事な睡眠時間を快適なものにしましょう!